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アルプスの画家 セガンティーニ -光と山-

<損保ジャパン東郷青児美術館>  スイスのセガンティーニ美術館をはじめ国内外の所蔵作品より、...

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さてさて、

初めて行ったのですが、

新宿西口の損保ジャパン東郷青児美術館にて開催中の

セガンティーニ展に行ってきました~!!

33年ぶりとなる回顧展で、

佐川、静岡と巡回してこれで最後となります。

いやー、よかった、癒されました。。。

ゆこもりは、高校まで甲府で過ごして、

山梨県立美術館でミレーを身近に見てきたからか、

やはり、こういう牧歌的な絵はホッとします。

実は、セガンティーニ自体も

ミレーに刺激を受けたみたいで、

”落穂ひろい”をモティーフにした絵を残しています。

今回、一番感動したのは、

セガンティーニ若干21歳、

美術学校卒業直後の作”鐘つき番”でした♪

一瞬だけ、セガンティーニの不遇の少年時代を反映したような

暗い鬱屈とした雰囲気が漂うのですが、

私はどちらかというと、

中心辺りのほのかな”灯り”と鐘をついている人の

厳かな感じとその淡々とした日常が感じられて、

とても静かで、穏やかな気持ちになりました。

以前、ブログで書いた

”ラ・トゥール”や”高島野十郎”もそうなのですが、

宗教・精神的要素のある暗い画面構成の絵って

なんだか、落ち着くんですよね。

セガンティーニというと、

今展覧会のポスターにもなっている

”アルプスの真昼”が、確かにセガンティーニらしい、

陽が眩しいほどに明るい標高の高いアルプスの光景を

それこそそのまま描いた絵なのですが、

きっと、陰鬱とした少年時代を過ごしたからこそ、

ここまで、”光”をもとめたのかもしれない、と

明るいはずの絵なのに、

勝手にちょっと切なくなってしまいました(苦笑)

セガンティーニは、今回初めて拝見したのですが、

驚いたのは、そのタッチ・マチエール(表面の質感)です!

うまく言えないのですが、まるで木目のようでもあり、

服や毛布、動物の毛並、植物の葉っぱの流れなど、

まるで、そのものの質感を平面で表現しようとしているようで、

彫刻のように表面が盛り上がっています。

ディヴィジョニズム(分割主義・分割描法)という、

色彩を混ぜないで描いていく画法

(スーラなどの点描もそうみたい)なのだそうですが、

なんていうか”くっきり”と鮮やかさが目に染みる感じです。

これこそ、実物を見ないと分からないものですので、

絶対、見に行って欲しい展覧会です!!!

セガンティーニは、41歳の若さで、

シャフベルク山で制作中に、急性腹膜炎で急死したそう。

以前ご紹介した、犬塚勉さんもそうでしたが、

山を突き詰めていくと、”触れてはいけない何か”に

触れてしまうからなのでしょうか。。。

夭折した画家なのですが、

スイスに建物自体も素敵な

セガンティーニの美術館もあるそうなので、

いつか行ってみたくなりました。



損保ジャパン東郷青児美術館 HP

http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html



【補足】自画像について

セガンティーニは、自画像を何点か残しています。

今展覧会でも、4点展示してあります。

象徴主義(反写実主義。愛・生・死・夢などを主題)ということもあり、

自画像なのに、背景に金粉を使っています。

そのうちの2点で、片方は金粉を使っていない感じなのに、

キャプションに”金粉”が明示されていて、

もう片方は、”金粉”が使ってあるようにキンキラなのに、

キャプションに”金粉”が書いてないんです。

学芸員さんに聞いたところ、

前者は、金粉が剥がれてなくなったそうで、

後者は、所蔵先のデータに載っていなかったそう。

確実に金粉使われているのに、抜けているなんて、

海外の美術館って、結構アバウト!?

ミニ情報でした♪