アールヌーヴォーのポスター芸術展に行きました (名古屋 松坂屋美術館)
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投稿日 | 2010年12月16日 19:18 |
名古屋・松坂屋で開催中のアールヌーヴォーのポスター展に行ってきました。
この展覧会は、チラシに起用されてる作品が、日本ではあまり知られていない作家さんの作品だったので、規模も小さめな地味目な展覧会かな、とあなどってました。
行ってみてビックリで、ミュシャの代表的な作品(復刻版ではない)が壁1面にズラリと並び、ロートレックの名作数点も!
過激過ぎて(男性裸体表現が露骨で)検閲を通らなかったクリムトの幻のポスター作品もありました。
全体としての感想は、
130点のポスター展示でしたが内容が濃くて、ひとつひとつゆっくり観ていて思いのほか時間がかかる良い内容でした。アールヌーヴォー以外にその前後の様式作品もかなり多かったです。
やはり巨匠として後世に名前の残る・・ミュシャやロートレックのポスター作品は他の作家の商業的なポスターとは一線をかくす芸術性で、細部まで考えて構成されており、別格だと実感しました。
ポスター石版て難しいし、生半可な才能ではただ凡庸になるだけだし、素晴らしいなぁ、と感激しました。
他に日本でも知られる巨匠クリムト作品は、間の取り方、空間余白が絶妙で自信に溢れていて、やはり才能を感じました。
ポスターのジャンルは、分離派、ロダン展、ムンク展などの美術展のポスターから、サラ・ベルナールの芝居をはじめとする舞台のポスター、飲み屋のポスター、化粧品香水、タバコ、自動車、そして多かったのが自転車のポスターです。
19世紀末から20世紀初めは女性のファッションも開放的に大きく変わるとともに、テニスなどの運動や自転車が大流行したそうです。
女性の行動範囲がこれによって大きく広がったそうです。
実際には自転車に乗る際にはブルマーを着用していたそうですが、ポスターではスカート着用で描いてあったりします。
アールヌーヴォーとアールデコの当時の実物女性衣装やバッグも展示してあってポスターが貼られていた時代の街の様子などが想像しやすかったです。
他に良かったポスターは、「ロダン展」のポスター、色のグラデーションなどが絶妙でした。
「殺菌牛乳」のポスター、生の牛乳をワインと同じ低温殺菌して日持ちできるようになったのもこの頃。
モデルの作家の娘と、猫屋敷と呼ばれた猫だらけの飼い猫数匹が描いてあります。
美味しそうに器の牛乳を飲む娘と、羨ましそうに生つばを飲み込んでその様子を見つめる猫数匹。面白いポスターでした。
私も観ました。
民族のプライドというかずっと持たれていたアーティストですね。ステンドグラスは特に青色が美しかった記憶があります。