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「すべての力をアートのために!」。
あるアートイベントで本人の著書「観光アート」にサインいただいたアートプロデューサーの山口裕美さんのメッセージ。‘現代アートのチアリーダー’を自認する本人のアートに対する思いが込められている。

山口裕美さん情報:http://www.so-net.ne.jp/tokyotrash/

「アート作品を鑑賞する際、‘ちょっとした見方’を押さえているだけで理解の仕方もずいぶん変わってくる」と前書きの中で書かれている。まさにその通り。アートに興味はあるが専門ではない私にとっては一次的なアート情報や作品そのものを単に見て楽しめと言われても、表面的にしか楽しめない。もっと勉強すればよいのかもしれないが、そこまでは手が回らない。なので、一般人にもわかるように平易な言葉でポイントを押さえて説明してもらえるのは本当にありがたい。

「観光アート」という言葉は「アートを活用した観光、まちおこし」と「アートを見る目的の旅」の2つの意味を持つ著者の造語。

第1章~3章までは、日本の地方を中心に胎動している新しいアートの動きを記してくれている。こんな大きなテーマを詳しく知ろうと言う人には物足りないと思うが、‘ちょっとした見方’を示してくれている。本当にありがたい。

第4章の「一度は訪れたい美術館100」もその美術館を楽しんでもらうための「ポイント」が端的に著者の視点で記されていて思わず足を運び確かめたくなる。

「観光アート」の全体的な動きを知りたい人にお勧めです。山口裕美さんの熱い思いも伝わってきます。

=目次=

<第1章 観光と現代アート>
・現代アートを訪ねる新しい旅の形
・観光による地域の活性化・まちおこし

<第2章 現代アートの新名所>
・現代アートの島 : 香川県・直島
・後発のデメリットをメリット : 青森県・青森市&十和田市
・新しきを訪ね、古きを知る : 石川県・金沢市

<第3章 アートプロジェクトの新潮流>
・「大地の芸術祭」越後妻有アートトリエンナー
・eAT金沢
・掛川現代アートプロジェクト
・横浜アートトリエンナーレ
・福井・三国湊の路 ------- 現代アートと文学のアジール
・水都大阪2009+ART OSAKA
・瀬戸内国際芸術祭2010

<第4章 一度は訪ねてみたい美術館100>

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