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NHK日曜美術館で、この作品はこのように紹介されていた。「小磯は従軍画家として戦争記録画を手がけていた。『斉唱』にはやむを得ず軍に協力したことへのあがないの気持ちが込められている、平和を待ち望む祈りが込められていると言われてきた。しかし最近、「小磯が必然的に群像を描くことになる戦争画に積極的に取り組んだ、その成果が『斉唱』なのではないか」とする説が唱えられている。 小磯の戦争画と「斉唱」は構図や描法がよく似ている。」日曜美術館ホームページより(http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/0715/index.html)
1月29日の講演では 川崎晃一氏(兵庫県立美術館 館長補佐 企画・学芸部門マネージャー)は、「斉唱」というタイトルは「国歌斉唱」を暗示し、皆、同じ顔をしているのは、軍部が国家を統率しつつある時代への反戦の意が込められ、従軍画家としての小磯の葛藤が見られるという見解である。
いずれにしても女子学生の制服(神戸松蔭女子学院)の黒が全体を占め、色数を抑えた静謐な画面からは、彼女たちの斉唱の歌声がどこからともなく、聞こえてくるようである。