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このブログで紹介するイベント

ハンス・コパー展 ― 20世紀陶芸の革新

本展は、ハンス・コパーの生涯と芸術を、 日本で初めて紹介する大規模な回顧展です。

紹介されたイベントに関する他のブログ

岐阜県現代美術館での展覧会を見て

さて、ハンス・コパー展の具体的感想ですが、 本当に、ス...

岐阜県現代陶芸美術館で以前見た感想です。

初めての作品群との出会いだったので、

とても新鮮でした。

いろいろと、お話したいこと満載なのですが、

まず!

展示室内にあった、

図録にも載っていない、

ハンス・コパーの言葉を紹介したいと思います。

ちょっと長いのですが、

クラフトのことや、制作姿勢などを綴っています。

是非、ご一読ください。

では、、、

(1969年 ヴィクトリア&アルバート美術館での

展覧会カタログでのコパー自身の文章です)


王朝誕生以前のエジプトの器、

私の手の大きさでやや卵形の

何千年も前に、おそらく奴隷の手によって作られ、

色々な意味で生き抜いてきた。

つつましく、無抵抗で、どことなく滑稽な

しかし、力強く神秘的で官能的だ。

何かを伝えるのではなく、

自己表現をするわけでもないが、

しかし、作り手とその生きた時代の人間世界を内包し、

映し出しているように見える。

微かな力で、敬意をこめて。

「人間」によって作られた完璧に無駄のない物体。

ジャコメッティの人物像。

バックミンスター・フラーの人間。普遍なもの。

私を真に魅了したのは、この器だけだ。

それは、私が器を作る理由ではないが、

しかし、人とは何かを垣間見せてくれる。

私の関心は、実験や探検にあるのではなく、

本質を引き出すことにある。

ろくろは、簡潔さを要求し、限界を決定づけ、勢いと連続性を与える。

単純なテーマで、連続したヴァリエーション作ることに集中するとき、

私のその工程の一部になっていく。

私は今ーこの素晴らしい世紀ーに存在するという体験に

共鳴しうる感度を持った道具を学び始める。

その目的と機能に関しては、

あいまいに語られるクラフトというものに取り組むとき、

人は不条理に直面するときがある。

まるでとり憑かれたピアノの調律士のように、

何よりもまず、幻の絶対音程に近づけようとするのだ。

そして、消え去ってしまう見せかけの理念に逃避しがちだ。

しかし、それでもなお、習慣となった仕事は残る。

人は、現実に取り組む。

(改行や句読点など、アレンジしてあります。

立ちながら写すのが大変で、誤字もあるかも、です)

今現在も、まさに!”クラフトとは何ぞや?”と、

日々思っているゆこもりは、

この文章に立ちすくんでしまいました。。。

縄文土器や弥生式土器、六古窯、

桃山時代からの茶陶、御用窯、民藝運動、、、そして、クラフト。

日本は独自の陶芸文化を育んできました。

それは、コパーのそれとは、違うもの。

でも、クラフトに辿り着いたとき、奇しくも、

”クラフトとは、何ぞや?”という壁にぶち当たるのです。

そして、コパーは力強く言うのです。

”いろいろ考えてもいいさ。

手を動かしていれば、仕事(作品)として残るから”、と。

それから、いつも、”時代のせいにしたくないけど、、、”と、

ゆこもりは、マイナス要素で言っちゃっていますが、

コパーは、作品は、

”作り手と、その生きた時代の人間世界を内包する”

と言っています。

”作品には、作家自身が出る”ということまで、付け加えて。

ほんと、つくづくそう思います。

人間って、環境に左右される動物なんですよね。

生きている時代とかもそう。

だから、右肩上がりの時代に生きた上の代にズルイ!

とか思ってしまう(笑)

その時代だったら、俺らだって、上手くやったよ、と。

現代を、よく飽食の時代とか、成熟した時代とかいうじゃないですか。

今の作家さんは、

飽食でも、成熟でもなんでもいいけど、

それらを作品に内包しているんです。

だから、完成度が高い。

高いけど、見ようによっては、

こじんまりしたように見えて、

荒削りで、荒々しい、

アートブリュットみたいなものが、

着目されるようになったのではないか、

なんて考えたりもします。

まあ、なんだか、ハチャメチャになりましたが、

素晴らしい陶芸家も、

おんなじ様なことを考えていたんだな~、

と図々しくも思うと、とても親近感が湧いたのでありました。

チャンチャン♪

で、展覧会の感想については、また後日。

”岐阜県現代陶芸美術館 HP”

http://www.cpm-gifu.jp/museum/tenraninfo/03_1index.html