勝手に画竜点睛! ― 名づけ得ぬもの UPしました!
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投稿日 | 2011年01月04日 04:51 |
僕はかつてひと頃、〝未来〟の虜になったことがある。
どういうことかと言うと、(ご多分に漏れず)コンピュータ環境がもたらす、テクノロジーの未来とかいうものにうつつを抜かし、自らがたかだかの寿命にたゆたう空蝉(うつせみ)の存在であることを忘れていた。
根拠の怪しい希望に胸踊らせるだけのデイドリーム・ビリーバーになってしまっていたのである。
要するに、〝個〟としての〝実〟を失うという、気味の悪いトラップに嵌っていたわけだ。
大体、テクノロジーが実現する未来像というのは、ある意味、自己拡張の幻想だと思うのだが、皆が等しく拡張されてしまえば、それは拡張されたのか何なのかすらわからないではないか?
誰もがスーパーマンで、不死の存在。おまけに、何でもかんでも卒無く便利であったとして、それはそれでさぞかし良かろう。しかしそれはそのまま、人の幸福や生き甲斐に通底するものでは決してない。
人間とは、明日死ぬから即ち不幸というものではないのである。
少なくとも僕には、漠たる未来の理想郷など夢想している暇など到底、無い筈なのだ。
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