いのちの煌めき 田渕俊夫展@富山県水墨美術館(富山)
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投稿日 | 2012年09月24日 14:54 |
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いのちの煌めき 田渕俊夫展
<名古屋市美術館> 日本画家・田渕俊夫(1941~)は、圧倒的な技術と優れた色彩感覚で、日本...
(注:富山での巡回展観覧の感想です)
さてさて、
今回は、富山の展覧会です~。
富山県水墨美術館の田渕俊夫展です。
田渕俊夫さんは、
1941年東京生まれの日本画家です。
1961年藝大に入学、1965年卒後、大学院では、岩橋英遠教室。
1967年ナイジェリアに10か月、そのあとイタリアを回ります。
1970年には、平山郁夫に師事、愛知県芸で、片岡球子教授の元、助手に。
1984年愛知県芸助教授、1985年には藝大の助教授、1987年愛知県芸教授、
1990年千葉土気に転居し、1995年藝大教授就任。
その後、藝大副学長、名誉教授などを、歴任されています。
今回は、東日本大震災を目の当たりにして描いた”煌ⅠⅡ”(2012)が、
横10mはある水墨の大作で、”煌Ⅰ”は、風神雷神をイメージしたとのこと。
確かに、雷のようにも、川の流れのようにも見えました。
20代半ばに描いた”神々とオスラ”(1969)は、青銅色がキレイだった♪
1970年代になると、画風が結構変わって、
現在の方向性の確立期なのかな、
”やまはぜの頃”(1974・今治市大三島美術館蔵)は、
緑、銀に薄く金で彩色して、渋かったし、
”流転”(1982・成川美術館蔵)は、すすきを四季に渡って写生し、
一つの画面に収めた”すすきの一生”を表現して、芸術院の大賞を受賞。
すすきの一生っていうのが、面白いし、色彩も様々に表現できるからいいですよね
私のお気に入りは、もうひとつの”流転”(1983・成川美術館蔵)で、
これは、あさがおがモチーフ。紫を金銀で挟んだ彩色が、とても綺麗でした♪
他には、”天山”(1992・成川美術館蔵)は、構図が面白く、
上半分が青色の山々、下がまるでイナズマのように川を描いてありました。
”爛漫”(2003・今治市大三島美術館蔵)も水墨というより、
まるでキラキラ銀彩の様で、よかったですねー。
(こう見ると、成川美術館と今治市大三島美術館のものばかりだ)
田渕さんの作品の面白い所は、
下書きというか素描というか、線を奥に見せたまま、彩色したところを前面に見せる遠近法♪
絵によっては、彩色をもやのようにしてたり。
でも、もちろん、(当たり前だけど)描きかけには見えないんです。
線と色彩が絶妙なんですよー。
あと、”大地悠久 洛陽黄河”や”濃尾三川”、”黒部S字峡”など、
結構、航空写真みたいな構図があって、実際、写真も使っているみたい。
技法を含めて、いろいろと楽しめました♪
富山県水墨美術館は終わってしまいましたが、
10月6日(土)~11月25日(日)に福島県立美術館を巡回しますので、よかったら是非♪
富山県水墨美術館 HP
http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/exh_1204.htm