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受け継がれる東洋の至宝 PartⅢ  ...

<静嘉堂文庫美術館> 世界に三碗のみが現存する「曜変天目」(すべて国宝)のうち、最も光彩が鮮...

松本から、高速バスで、渋滞もあって、5時間あまり…。

20年ぶりくらいに、行ったのですが、相変わらず遠い…。

静嘉堂文庫は、三菱二代社長 岩崎彌之助と、四代社長 小彌太父子によって設立。

中国の古典「詩経」の「籩豆静嘉(へんとうせいか)」からとったもので、

祖先の霊前への供物が立派に整うことを意味するそうです。

つまり、ご先祖への奉げものなんですねー。

国宝・重文が供物とは、さすが三菱財閥!!

名前の通り、初めは蔵書のために設立し、

その後、美術庫と鑑賞室を作り、美術館になったとのこと。

まあ、広い広い。

正門から、結構奥まで続くアプローチ。

120周年ののぼり

緑地に指定されていて…、ツバキが咲いていました。

アプローチを抜けると、見えてきました!

すぐに見えるのは、文庫の方。

奥に、平成4年に100周年を記念して建て替えられた美術館があります♪

静嘉堂文庫といったら、なんといっても、

①国宝「曜変天目(稲葉天目)」(南宋・建窯)ですねー♪

朝一で、行ったのですが、皆、曜変天目へ一目散!

20年前と変わらず、キラキラ輝いていました…。

それと今回は、外側の釉薬の垂れ具合の絶妙さにため息でした…。

”垂れ”が、流れ落ちず、溜まって、止まってるんですよね。

あの茶碗の正面は、もしかしたら、あの”垂れ”で決めるのでは?

(模様だと、どこかどこやら、同じようで、わからないし…)

もうひとつ、単体でブースに飾られていたのは、

②重文「油滴天目」(南宋・建窯)

形が、まさにあさがおのように開いて、大振り。

油滴は、ライトのせい?か、内側よりも外側の方が、

まるで、紅葉が始まった葉っぱのように、緑や赤の色が見えて綺麗…。

他にも、いいもの目白押しで、

③玳皮天目(南宋・吉州窯)は、

黒釉の上に白釉(灰釉)をかけることで、

まるで、亀の甲羅のように見えるんですが、

ほんと、どうしてこうなるんだろう…、という模様!

玳皮天目では、写真などでこれをよく見るので、代表的なものですね。

④灰被天目 銘埋火(南宋・茶洋窯)は、

小堀遠州所蔵だったもの。

灰被天目とか、茶洋窯とかは、初めて見た気がします。

刷毛で、銀色に見える縦のラインがさっ!!と入っていて、かっこいい♪

⑤灰被天目(毛利天目)(南宋・茶洋窯)は、

玉虫色で、何色と言っていいか分からない色合いがキレイでした。

⑥井戸茶碗 越後(朝鮮、16C)は、カイラギが見事!

⑦堅手茶碗 銘秋かぜ(朝鮮、16C)は、

かなり沓っていて、初めに取り上げた人は、

よくこれに”美”を見出したなー、と思うくらい。

⑧御本雲鶴筒茶碗 銘玉鬘(朝鮮、17~18C)は、

下方が球形で、上が筒という、かなり変わったカタチ!

そして、長次郎!

⑨長次郎作 黒樂茶碗 紙屋黒(桃山、16C)は、

元々、博多の豪商 神屋宗湛が持っていたことからの銘。

長次郎にしては、かなり大胆なくぼみ、ヘラ目があり、、強い作為がありました!!

珍しい!!

⑩宗入(五代) 黒樂茶碗 銘山からす(江戸、17~18C)は、

筒茶碗で、かなり長次郎を意識したようなカセ具合。四筋のヘラ目。

⑪左入(六代) 黒樂茶碗(江戸、18C)は、

かなり大振りで、口縁の一か所を大胆に切って、違えていました!!

すげー♪こういうところが、樂家のすごいところだよなー。

江戸時代にこれをやってるんだから…。

茶碗が、25点出ていたんですが、半分近くも紹介してしまった…。

いや、それくらい、面白いもの目白押しだったんですよー

で、茶碗と同じくらい、目玉だったのが茶入

まずはなんといっても!

①唐物茄子茶入 付藻茄子(松永茄子) 大名物(南宋~元・13~14C)

これは、アニメ「へうげもの」でも、本能寺の変の焼け跡から、

拾い出しているところをやっていましたが、

本能寺の変、大坂夏の陣で罹災するも、塗師藤重籐元・籐巖父子の

漆繕いで、本当に見事に、傷跡は見えませんでしたっ!!

当時、松永久秀がこれを献上し、大和一国を安堵されるほどのものですからねー。

②唐物茄子茶入 松本茄子(紹鴎茄子) 大名物(南宋~元・13~14C)

これも、X線で見ると、バッラバラになっていて、

でも、見た目には、まったくわからないというもの。

修復への執念を感じさせました。

③唐物瓢箪茶入 稲葉瓢箪 大名物(南宋~元・13~14C)

とっても、かわいいカタチで、かなり小ぶり♪

④唐物茄子茶入 利休物相(木葉猿茄子) 大名物(南宋~元・13~14C)

飯を盛る物相という器に似ているところからこの名がついたそう。

⑤瀬戸芋子茶入 (古瀬戸) 銘雨宿 中興名物(室町・16C)

これは、本当に芋の子みたいなカタチ!

⑥膳所(ぜぜ)瓢箪茶入 銘白雲 中興名物(江戸・17C)

膳所窯は、遠州七窯のひとつ。

やっぱり、カタチがかわいかったー♪

ふう…、茶入も15点だったんだけど、

まあ小さいながらも、すごいもの揃いで、すごかった…。

で、次は、花入。

①青磁鯱耳花入 龍泉窯(南宋~元・13~14C)

胴部分二か所に、割れを修繕するための”鎹(かすがい)”が打ってありました。

かすがいを打ってあるものでは、馬蝗絆が有名ですが、

当時は、こういう修理法を結構やっていたんでしょうかねー。

②飛青磁不遊環花入 龍泉窯(元~明初期・13~14C)

飛青磁とは、釉下に鉄絵の諸色飛び斑文のある青磁のこと。

色がとても瑞々しくて、潤いがありましたー!

③三島たんぽ花入 (朝鮮、15C)

俵型の面白いカタチ♪三島の柄も細かい。

他にも…

★伝 大西浄清(京・大西家二代)作 舟形釜 (江戸、17C)

すっごい面白いカタチ♪

よくあんな複雑な形を作れるなー。

★呉須染付菱馬水指 (明、17C)

カタチが六角形で、ひし形!絵は稚拙だけど、カワイイ♪

★黒田宗伝(2代)作 竹水指 (昭和初期、20C)

鹿児島田ノ浦の竹の根に近い太い部分で、水指を作っている!

すごい大きいので、びっくり!

内側は、黒塗りしてあるらしい。


ふへー、本当に怒涛の作品ラッシュだった…。

お腹いっぱい(笑)

思い切って、見に行ってよかったー。

岩崎父子のすごさをつくづく感じました…。



静嘉堂文庫美術館 HP

http://www.seikado.or.jp/index.html

この感想が書かれているブログが、画像も満載で見やすかったです♪

http://ameblo.jp/tonton3/day-20130214.html