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柳宗悦展 -暮らしへの眼差し-

<松本市美術館> 展覧会では、柳宗悦の審美眼をもって選び抜かれた日用雑器の美と柳の仕事とを絡...

さてさて、

クラフトフェア松本 工芸の五月関連企画として

今年の松本市美術館は、柳宗悦ですっ!

とうとう、民藝の大御所、総本山が来ましたねー。

ここのところ、この時季は、民藝に関連することなので、

来年は、バーナード・リーチとか、河井寛次郎だったら、いいなー♪

と、軽~く希望を述べておきましょう(笑)

ちなみに、この展覧会は、柳の没後50年にあたる2011年から、

順次巡回していて、松本は6/9まで。

次回、滋賀県立近代美術館で最後になります。

さて、前置きは、このくらいにして…、

いやー、よかった…。

民藝というものをご存じない方は勿論、

日本民芸館に行ったことのある方でも、見に行って欲しい展覧会です。

というのも、今回の展示物は、日本民芸館からのものがほとんどなのですが、

民芸館で見ると、作品が馴染み過ぎるので、ややもすると、見逃してしまうところを

ホワイトキューブ(白い空間)に再構成して、展示することで、

一点一点がしっかり主張して来るんです。

なるほど、展示環境というものは、こういうふうにも作用することもあるのかと、

あくまで私感ですが、ちょっと勉強になった次第です。

それと柳は、民藝という「切り口」の創始者というイメージでしたが、

そもそもは、宗教哲学家だったんですねー!

晩年に作った心偈(こころうた:短文の句)に

「今 見ヨ イツ 見ルモ」という句があります。

展示の最初に、飾られているのですが、思わず、グッと来ました。

どこかの塾講師の「今でしょ!」ではありませんが(苦笑)、

「今」、「この瞬間」を大切にということですね。

こういう言葉の端々に、仏教の影響が見受けられます。

「作家は作物でこの世を美しくしてゆくが、私は別の道でこの世を美しくしたいと思う」

この言葉は、展示室では見受けられなかったのですが、図録に載っていて、

「あー…、心を一にする先人がここにも居た…」と、言葉を噛みしめました…。

時々、このブログでも書くのですが、

発信する人がいても、それを受け取る人がいなければ、何事も成り立たないんです。

例えば、今回の企画展だって、いくらウエダさんが素晴らしい作品を作ってきても、

それを楽しんだり、手に取ってくださる方がいなければ、ないのとおんなじ。

民藝というものを見つけだし、提案した柳ならではの言葉だと思いました。

ちょっと、哲学めいてしまいましたが、

作品自体や展示の仕方も面白かったです。

例えば、一角に、旧柳邸の応接室を再現して、

皿などの器だけでなく、机や椅子、箪笥まで設えてありました

作品で言うと、

①木喰仏 地蔵菩薩像(1801)

思わず、手を合わせてしまう、尊さがありました…。

②染付辰砂鯉型水滴(朝鮮 19C後半)

ふっくらとして、飛び跳ねている感じが素晴らしかったです♪

③信楽焼締黒釉流茶壺(18C)

今の作家さんが作ったと思えるくらい斬新な作品!

黒釉の流れの綺麗さがたまりません…

④河井寛次郎 練上手茶碗(1932)

寛次郎が、練上??

私は、初見でしたー。珍しいと思いますよー♪

⑤垢取り(沖縄糸満:20C)

木製で、ちりとりのような形。

小舟にたまった海水をかき出すためのものだそう。

何とも言えない、手作りのいいカタチ♪


まだまだあって、紹介しきれませんが、今日はこれくらいで。

6/9までですので、是非ぜひ、見に行ってくださいねー♪♫



松本市美術館 HP

http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/p3/p3-html/p3-kikaku18.htm