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生誕120年 宮芳平展 野の花のように

地域にゆかりの深い作家を紹介してきた茅野市美術館では、画家・宮芳平(1893-1971)の生誕...

さてさて、

茅野市美術館の展覧会に久々に行ってきました~!

茅野市美術館は、この時季、

地元に根ざした作家を紹介する、いい企画展をするんですよー♪

2010年は藤森照信展、2011年は、松樹路人展、2012年は小堀四郎展。

そして今年は、宮芳平展です。

宮芳平(1893-1971)さんは、

長野県諏訪で美術教師の職に就き、諏訪で35年間の教師生活を送ります。

退職後は教え子や知人から、アトリエ兼住居を贈られ、終の住処となりました。

なんていうんだろう…、

ルオーとかに通じる、「祈り」の静謐さと、

自然を題材にした、荒々しいタッチの作品と、

その時々の自画像の変遷が面白く、目を惹きました。

気になったものを、ピックアップすると…


①海 その2 (油彩 No.82 1959)

絵の具を厚く塗り重ねて、

これでもかっ!と荒々しく海を「青」で表現している上には、

太陽の「赤」とそれを縁取る「黄」がとてもお気に入り♪

どうも、1950年くらいに入ると(宮さん50代)、

厚塗りがメインで、モノによっては、

何が描いてあるかわからない抽象の世界になってきていました。

②椿 (油彩 No.6 1914)

この作品は、エポックメイキングなもので、

第8回文展で落選し、審査委員の森鴎外に落ちた理由を聞きに行って、

そこから、鴎外とのご縁ができ、

鴎外も宮さんを題材に短編小説『天寵』を書いたそう。

本当に、なんで落選したんだろう…、と思える魅力的な作品。

この頃は、スーラチックな点描の作品が目立ちました。

③接吻などのペン画シリーズ (ペン No.151~166 1921~22頃)

とても細密♪

また違う雰囲気で、よかったですよ♪

④自画像いろいろ (1914~1950頃)

その時々で、いろんなタッチと色彩、そして、顔色!

1914年の自画像なんかは、やっと入った藝大の頃だからか、

ちょっと自信ありげな若者の生意気な感じ(笑)

1916年になると、身辺にいろいろあったのか、物憂げな感じ、

1919年のものは、赤+黄で彩色して、燃えていました!

1950年頃の自画像は、疲れて覇気のない感じ…。

画家さんは、結構自画像を描く人がいますが、面白いですねー♪

9/1までですので、是非!!

そして、このあと、練馬区立美術館、島根県立石見美術館、新潟県立近代美術館、

安曇野市豊科近代美術館と、全国5館をめぐる巡回展です。


茅野市美術館 HP

http://www.chinoshiminkan.jp/museum/2013/0802/index.htm

宮芳平展 チラシpdf

http://www.chinoshiminkan.jp/museum/2013/0802/image/20130802cmoa.pdf