メナード美術館「コレクション展」…Le 20 août 2013
みなさんこんにちは。
20日から23日にかけて、名古屋に行ってきました!それにしてもよう晴れてて、暑い!!(笑)
20日は14時に到着したので、あまり時間がないことから、メナード美術館と愛知県美術館のふたつに行きました。今日はメナード美術館のお話をします。
メナード美術館は栄や伏見よりはちょっと離れた、小牧というところにあります。今回はコレクション展ということで、全5回に分けて、コレクションを見ていくものです。今は弟4回で西洋美術に焦点を当てていました。作品はクールベからワイエスまでの時代です。今回の旅を通して思ったのは中部地方の美術館は20世紀美術がたくさん集まっているということです。このメナードのコレクションも、バルビゾン派や写実主義、印象派らの作品よりも20世紀の作品のほうが充実していました。今回の展覧会の目玉として、ファン・ゴッホの《石膏トルソ(女)》(1887-88)が挙げられていました。なんでこの作品が目玉なのかちょっと理解できなかったのですが…。でも、彼の初期の練習画としては見る価値のある作品でした。彼は人体表現の研究として石膏をよく描いていたそうです。今の画学生と一緒ですから、そんなに珍しいことではないですね。でも、この作品のようにあまり正面からは描かないでしょうね。難しいし。彼の作品をたびたび美術館では見ますが、こういう作品はあまり見ませんね。
嬉しかったのは、セザンヌの《麦藁帽子をかぶった子供》(1896-1902)を見れたこと!!去年、この作品からインスピレーションを得て作品を描いたので思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。彼が捉えようとする色面には本当に勉強になります。
レジェとブラックはどちらも自転車を主題にした作品でした。ただ、どうせだったらふたつの作品を並べても良かったのでは?と思いました。そこが残念でしたね。ピカソのちょっとしたコーナーもありました。
パスキンの《ばら色のリボンの少女》(1926)は結構好きです。構図の取り方いいです。彼女のこちらを見上げる、射抜くような視線は奈良美智の描く少女たちを思い起こさせます。
モランディの静物画もありました。彼の描く、モノとモノの間の緊張感が好きです。キスリングの緑は本当にレンピッカにそっくり(笑)あと、ミロは相変わらずミロ・ワールドを展開している感じ(笑)
一番良かったなと思ったのはド・スタールのこの《黄色い背景の静物》(1953)です。これは画像ではなく、ぜひ本物を見に行ってほしいです。だいぶ厚塗りで、色の配分によって重量感と安定感が生まれています。本当に見ていて落ち着く作品です。ずっと見ていたいくらい。彼の作品はもうひとつ来ていましたよ〜^^名古屋のほうの方はぜひ見に行ってほしいです。
ビュッフェの線も最高でした。無駄のない線を描くのは相当難しいです。彼は心地いいくらい最高の線を我々に見せてくれます。ワイエスの作品も良かった。主題の傾向はミレーと同じなんだけど、ドライプラッシュという光の白を出す技法によって彼らしさが出ています。
また、彫刻も充実していました。ロダン、ブールデル、マイヨールのお三方がばっちり展示されていましたよ(笑)ブールデルの《弓を引くヘラクレス》(1909)では、ロダンの人体とは違って、力強さを感じます。筋の引き締まる感じをより如実に表していました。
メナード美術館、結構すごかったです。小さい美術館ですが、持ってる作品はなかなかセンスあります。化粧品のメーカーですし、女性的な(失礼)モネやルノワールばかり持っているかなと思っていたんだけど、全然!!まあ、本当は持っているのかもだけど、今回の展示ではそれぞれ一点しかなかったですね。火曜日だったので、あまり人はいなかったのですが、中学生らしい少年少女たちが見学に来ていましたね。エルンストの作品を熱心に見ている子もいました。名古屋周辺にお住まいの方やそちらへご旅行の方にはぜひ行ってほしいです。
TAHARA