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モローとルオー -聖なるものの継承と変容-

<パナソニック 汐留ミュージアム> フランス象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モローと彼の愛弟子で...

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ルオーのデッサン、しっかり詰まった筋肉。
筋肉は熱を作る。
ルオーの絵は、たとえ全体に暗い色でも寒い感じがしないのはそのせいか。

相対的に冷たい印象のモローは脂肪か。うすく乗った脂肪。
断然女性だし。男性も女性的。
いや、モローはもはや肉体を離れてしまっているかも。

二人の体温の違い。
違うからこその相性の良さか。

ギュスターヴ・モロー《トミュリスとキュロスまたはトミュリス女王》
(油彩/カンヴァス 57.5×87cm パリ、ギュスターヴ・モロー美術館)

本展一番。初めから目を引いた。人物ではなくて全体の空気。

モローの油彩下絵4点。
思いのままに出した色。そのままモロー。

ジョルジュ・ルオー 《トゥリウスの家におけるコリオラヌス》
(日本初公開 1894年 油彩/カンヴァス 46×38cm パリ、国立高等美術学校)

光。なるほどレンブラントの再来と言われただけのことはある。
しかし筋肉の充実のほうに目が行く。というより迫ってくる。


まずは王道を目指したからこそ、見つけた我が道。
抑圧からの解放。その時の放出力。

個が自己ベストに到達したとき、過去のつながりはどうなるのか。

ふたりの師弟関係はモローの死後も続く。
それはそれで大変だったようだ。


本展は映像もあり。モロー美術館のらせん階段にくらくらする。


混雑状況報告。
入口に行列ができるほどではないですが、館内はけっこう混んでいました。

会場内最後のほう、4K対応スマートビエラで映像を流しているのですが、
絵の展示ルートの途中なので、絵を見る人に気をつけながら見る感じでした。
もっとも、そんなに長くない映像なので人がたまって困るほどではなかったです。

会場外の映像は見ず。
こちらは椅子に坐って見るようになっていました。内容が被っているのかどうかは不明。


こちら『パナソニック 汐留ミュージアム』は10周年だそうです。
明かりの反射が少なくて見やすく、作品にも観客にも配慮のあるおすすめの美術館。


この感想文の原型はこちら。よろしかったらどうぞ。
http://hanitona.web.fc2.com/jn201308MoreauetRouault.htm

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