収穫でした
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投稿日 | 2014年06月20日 21:49 |
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バルテュス展
<東京都美術館> ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家バルテュス。 国内最大...
あのピカソをして「20世紀最後の巨匠」といわしめたバルテュスの、天才を感じさせる11歳当時の作品から、日本人妻と寄り添って過ごした晩年の作品まで、バルテュスの人生を作品を通じて追っていくような構成だね。
作品の展示と共に、彼のスイスのアトリエを愛用の家具調度や画材等と共にそのまま再現したコーナーなどもあって、在りし日の暮らしを垣間見られるような趣向をこらした展示会だったよ。
絵画展示の後のコーナーでは、晩年の彼の暮らしを篠山紀信が撮影した写真の数々がパネル展示されていて、身に着けていた衣類やアクセサリー、杖などの身の回りの物も併せて観ることができたよ。
本当に、つい最近まで生きていたんだなぁ~、って感慨深かったね。
さて、作品だけど、画像にあるこの展示会のリーフレットの表に大きく掲載されている「夢見るテレーズ」を代表として、彼の作品には「少女」そして「猫」がモチーフとして登場することが多いんだよね。
そして、少女は往々にして扇情的。作品には多分に「背徳感」が見え隠れするよ。
そんな作風は、発表時に様々な誤解や批判もあったみたいだけどね。
でも、今こうして、その芸術性が認められて残っているということが全てなんだと思うよ。うん。
作品の解説には「少女の性の目覚めの瞬間をとらえた」と記されていることが多かったかな?
バルテュス自身の言葉では「少女こそ、この上なく完璧な美の象徴」とのこと。
ロリコンというわけでは無かったようだけど、芸術の上での少女礼讃の考えは強かったみたいだね。
「猫」は彼が11歳時に描いた連作(これは本になった)【MITSOU】(ミツ)という作品から登場するモチーフで、ある時期からはバルテュス本人を投影していたとのこと。
実際、自画像のタイトルを「猫の王」としたりもしていたからね。
少女と共に絵の中で息づく陰の存在としての自分。
一定の自己顕示を感じるね。
展示を一回り観て、やはり代表作である「夢見るテレーズ」の印象は強かったな。
構図、色、モチーフ、全てにおいて残るものがあったよ。
で、展示コースの終わりで、もう一度この作品を観に戻ったら、その時には既に人だかりになっていたorz
俺が入った後、仕事終わりのサラリーマンで随分人が増えてしまったようだよ。
仕方なく、遠目に眺めてから会場を後にしたよ。
今回この展示会を知って、それと同時に「バルテュス」という画家とその作品の数々を知った俺だけど、これは大きな収穫だと感じたね。
今はまだ、誰でも知ってる、歴史に名を残しているような大作家では無いけれど、この先あるいはそんな作家の1人に数えられるんじゃないかとも思ったよ。
なかなかイイ展示会だったな☆