「伝説の洋画家たち 二科100年展」レポート
海外から新しいものを取り入れて、かき混ぜながら模索する。
混沌から上澄みをすくい出す。
ここにないものをつくり出す方法の一つ。
伊藤久三郎 《流れの部分》第20回展(1933年 京都市美術館蔵)
海、石膏像、天使? などなど、デ・キリコのモチーフと重なる。
伊藤久三郎 《合歓の木》第26回展(1939年 京都市美術館蔵)
本展一番。
幻想的だが、感傷的でなく、強さ、清新さが迫ってくる。
左手前の緑の、厚塗りの油絵具が光っている。
6年のあいだに、シュルレアリスムを消化吸収して自分の物にした。
ほか。
林武《本を持てる婦人像》 第9回展(1922年 個人蔵)
帯の質感。それから顔に目が行く。
小島善太郎 《読書》 第13回展(1924-6年 八王子市夢美術館蔵)
ほんのり明るく、色とりどり。
伊藤廉《窓に倚る女》第17回展(1930年 東京藝術大学蔵)
縞の服も印象的だが、全体の空気がそれを上回る。
ひびが入って、壁画のよう。
堀内正和 《 線A 》 第39回展(1954年 兵庫県立美術館蔵)
大きな枠に落ちる、小さな枠の影。
(このレポートの画像は堀内正和《三本の直方体B》1978、トビカン1階の庭に展示)
このレポートの原形はこちら。
http://hanitona.web.fc2.com/mg2015012nika100th.htm
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「伝説の洋画家たち 二科100年展」
東京展
会期|2015年7月18日(土)~9月6日(日)
会場|東京都美術館
大阪展
会期:2015年9月12日(土)~11月1日(日)
会場:大阪市立美術館
福岡展
会期:2015年11月7日(土)~12月27日(日)
会場:石橋美術館