2011 東京藝術大学修了・卒業展
藝大の卒展は、一昨年ぶり。
昨年は、
ちょうど母の闘病中だったから。。。
前もそうだったけど、
皆さん、これに向けて、
全力で来ているので、
見るほうも心してみないと、
パワー負けしちゃいます。
しかも、ゆこもりは、
油科と日本画科は見ないのに。。。
(正確に言うと、体力が続かず見られないんです。。。)
まだ、なかなか、展覧会を開催するまでのご縁は、
ないのですけど、でも、ある意味、今の縮図というか、
トレンドが見られる気がして、
それと、やっぱり、逸材に会える気がして、
ドキドキしながら行くのです。
前も、言った気がしますが、
やっぱり、藝大の陶芸は、全体的にはつまんない。。。
京芸とか、金美は面白いのに~。
これは、絶対、校風だっ!
でも、そんな中にも、勿論、
キラッと光る作家さんはいる訳で!
今回は、、、
まず、木塚暦さん。
藝大伝統?のきっちりした壺をいろいろと作って、
ちゃんと見せているのですが、
それはきちんと見せつつ、
それをまるで、キャンパスにして、
いろんな人形を”住まわせ”ているんです。
いや~、面白い!!
この世界観、ゆこもり好みです(笑)
隣に、普段から置いてあるであろう彫塑が、
木塚さんの世界を羨ましそうに覗き込んでいるようにも、
見えたのですが、そこまで計算した!?
もう一人は、藤島麻実さん。
この人は、366日分のメシワンを
見た限り、全部違う意匠で制作していました!
努力家!!即戦力!!という感じでした。
展示の良さでは、樽沢青子さん。
テトラポット様の鋳込み作品を、
沢山、海辺のように展示してました。
ガラスは、良かったなー。
まずは、村中恵理さん。
この人は、七宝の可能性を
拡げてくれるかもしれない。。。
本当に、ぜひ頑張ってほしい作家さんです。
あと、豊澤美紗さん。
技術は、よく見るものですけど、
すごい目を引く、綺麗で、カッコいい作品でした。
ガラスの流動性をうまく使っていて、
雫はまるで、動いているような錯覚が。
銀箔を使っているんですが、
それが、青く発色するところなどもキレイで、
世界観もあり、今後が楽しみです。
漆芸は、伊藤航さん。
ちょうど、小山登美雄さん(多分)が、
”面白いね!”と話しながら見てました(笑)
2/14から、ギャラリー58で個展をするそうで、
気になってたんですよねー。
でも、そのDMを見たときは、漆だとは思わなかった。
というか、多分、漆に固執してない作家さんだと思う。
彫刻とか、デザインのテイストで、
こういうクロスオーバーも、ゆこもり好み♪
漆界からは、いい風には思われないでしょうけど、ね。
クロスオーバーというか、ミクストメディアな感じは、
松田環さんも。
漆は、こういう風にしていくしかないのかも。
というか、もっと、いろいろ可能性がある素材だと思うんだけどな~。
彫金では、松本衣織さんの
ペン先の太さをそのまま生かしたノビノビ感と、
吉田泰一郎さんの精巧な機械が気になりました。
で、今回、科全体で面白かったのが、デザイン科!
いや~皆さん、いろいろ考えますねー。
今井祐介さんの”蛍火”は、
シャボン玉とレーザー光線を使って、
シンプルなんだけど、視覚的にとても面白く、
伊藤るみえさんの”色葉歌”は、
アクリル板を五重にして、色を重ね、影もきれいだったし、
近藤未奈美さんの”始まりは一本の線”は、
針金?一本で一筆書きのように、
人物などを立体化して、なるほどーと思いました。
一番すごかったのは、岸田麻里さんの”から”
卵の殻の内側に、部屋などを描いていて、
何十個あったかな~。
思いついたときは、”面白い!”けど、
自分に課した修行のようにも思えました(苦笑)
作家さんは、楽しめたのかな?
移動できる茶室 二心庵を作った、片山勝彦さんは、
実際にお茶を点てていましたね。
ここ数年、他校でも茶室を作る卒業生をチラホラ見かけました。
やはり、若者の茶の湯に対する、
潜在的需要が高まっている証拠なのでは。
体調が不十分だったので、
感度が低く、見逃した方も居たと思いますが、
それも、また”ご縁”ですよね。
以上、2011 藝大卒展でした。
伊藤航さん漆と紙で動いたりとかしてユニークで楽しめる作品ですよね。たしかにデザイン科もユニークなものが多かったですね。近藤未奈美さんの”始まりは一本の線”はボクもおもしろくてとっても印象に残りました。おつかれさまでしたー!