歴史上の人物をとても身近に感じました
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投稿日 | 2016年04月23日 20:11 |
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安田靫彦展
<東京国立近代美術館> 《黄瀬川陣(きせがわのじん)》や《飛鳥の春の額田王(ぬかだのおおきみ...
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安田靫彦(ゆきひこ)というお名前も存じ上げず、「いざ、竹橋」というポスターに目を奪われて、近代美術館に行ってきました。平日だったせいか、わりとすいていましたが、着物姿の女性が多かったのが不思議でした。
入ってすぐに15歳の靫彦が描いたという絵が展示されていて、その巧みさに圧倒されました。全部の絵に、便宜上の年齢が表示されていて、とてもありがたかったです。24歳で描いたという「守屋大連(もののべのもりや)」の絵は、本人もあまりにも写実すぎると評したそうですが、いままで教科書でしか知らなかったお名前の人が、そこに立っているかのようでした。
日本武尊(やまとたけるのみこと)を描いた「居醒泉(いさめのいずみ)」という絵は、靫彦が木更津を旅して日本武尊の伝説を知って描いたと解説されていて、嬉しくなりました。その後も生涯にわたって日本武尊を描いてくださり、89才で描かれた「草薙の剣」も、本当に素晴らしかったです。
もちろん重要文化財の「黄瀬川陣」は、圧巻でした。戦争に向かおうとしている当時の日本人の心の支えになるようにとの願いで描かれたと解説されていましたが、そんなことを知らなくとも、胸に迫ってくるものがありました。歴史ではこの後、頼朝が義経を見限ると学んではいますが、この時この一瞬は二人の心は一つだったのだと感じました。本当に美しく、気品のある絵でした。
額田王は4月19日からの展示だったので、残念ながら私は拝見できなかったのですが、王昭君は観ることができて嬉しかったです。信長の「出陣の舞」も山種美術館で観たことがあったのですが、靫彦作だったとは知りませんでした。
各時代の時代考証だけでも大変だったと思いますが、もしかしたらタイムマシンで行ってこられたのではないかと思うほど、どれも自然体で美しい歴史画でした。靫彦の名前、もう一生忘れないと思います。
当日券で同時開催の「MOMATコレクション」展も観覧できるので、時間に余裕をもっていかれることをお勧めいたします。