2時間滞在のブルーノ・ムナーリ展@岩手県立美術館
9月8日から始まっている、
ブルーノ・ムナーリ~役に立たない機械を作った男~
@岩手県立美術館
神奈川県立美術館葉山でやっていたとき、
面白そう♪と思っていた企画展を、
まさか、地元で見ることができるとは♪♪
とはいえ。
なんとなくしか知らないアーティストだったので、
とりあえず、
どんなもんだろう。的野次馬根性で
行ったんですが、とんでもハマりました(汗)
休日じゃなかったら、4時間ぐらいいたかもしれない。
その原因は、
自然科学の知識からうまれた発想の作品ばかりだったのと、
イタリア語濃度の高さです♨
イタリア語、第二外国語です。そこそこ読めます。
∴展示してあるイタリア語の資料を読んでしまうんですねぇ・・・・。
あとは展示してある作品のイタリア語表題で、
「これってイタリア語でこういうのか」を発見したり。
これは余談ですが。
とても、哲学的で面白かったです。
柳宗理の世界と似たところがある印象でした。
展示スペースのタイトルも深イイ。
・絵はあらゆる箇所がいきている。
・子供はすべての感覚で世界を認識している
・どんな素材にもファンタジアへのヒントが詰まっている。
・考古学のアイディアを美術の領域に取り入れる
・作品は無限の変化の一つとして出現する
これだけでも、頭の中にいろいろな思考が生まれます。
作品のベースに基本図形(円・三角形・正方形)と
数学の世界が横たわっているので、
そちらのほうからもいろんなフィーリングが
立ち上がってきました。
いちばんやばかったのは、えほんのコーナー。
子どもの造形教育にもかかわっていたムナーリ。
絵本や子供向けの知育玩具を作ってます。
その、絵本が並んでいたコーナーなんですが、
そこにあった、基本図形の本と、
木をかこう、太陽をかこう、という絵本。
中身はかなり、専門的で、濃厚すぎました。
正方形の図形はこういうのに使われている、こういう風に言われている、
こんなエピソードがある・・・etc.
図形を通じたなかなかの哲学書です。
正方形の本にあった、ピタゴラスの定理・中国版の証明にはまり込んでしまい、
(周髀算経という、古代中国最古の数学の書があって、それに書いてあるという。)
他にも、あれこれ、証明問題系が載っていて、エジプトの数学の問題もあったりして、
・・・・・素直に絵本を読むお子様や絵本の読み聞かせをしている親子に囲まれつつ、
一心不乱に問題を解いてました(笑)
数学史がらみの数学、大好きなんですよね。
数学史に出てくる問題、良問が多いので、ついつい。
ついでに自然の法則の解説が付くので、面白いんです。
ひとしきり、理系脳を活性化させた後、出てきた
「ペアノ曲線」シリーズに撃沈されました♨
これを絵にする!
面白い!
ポスターとか、なってないかな。
・・・なかったですけど。
家に飾って、眺めたかった(涙)
イタリア人らしい、「くすっ♪」と笑える作品もありました。
短い訪問者のためのイス、とか。
西暦2000年の化石、とか。
(制作年が1959年、1979年、1985年なので、
2000年を過ぎた今見ると、なかなか笑える、面白い作品です。当時は今でいう、現代芸術的作品だったんでしょうね。)
後は、ヴィジュアルコミュニケーション、
という分野からのアプローチの作品も
面白かったです。
そんなわけで、ほっといたらおそらく、4時間は居ました。
会期中、もう1回ぐらい行きたいかな。
会場を出たところに、
ムナーリが生み出した造形教材を楽しめる場所も。
そこでも、子どもに戻って、遊びまくってました。
こうしたら、ああしたら、がピュンピュンでてくる。
こうやって、子どものクリエイティビティをそだてていくわけですね。
モンテッソリ教育の教材をつい、思い出してしまいました。
オススメです。