「弘田一成個展2019 腹話術/摩天楼」 コメント2
:現在、3つのモチーフをシリーズ化して制作しています。
"SPEAKER": 主体的であるようでいて、その実、得体の知れないものに突き動かされている人間の様態を、半ばコミカルに描き出そうと試みた。 「SPEAKER」というタイトルは、”話す”主体としての人間と、受動的で間接的な媒体としての、オーディオのスピーカーとを掛けたもので、両義的な人間の存在を示している。
”SKYSCRAPER" (摩天楼): バベルの塔を大元のモチーフとし、自然を分析し支配下に置こうとする人間の志向、人工性をヴァージョンアップさせ、構築と拡張を継続してゆく他はない近代~現代という時代の性というものを、いいも悪いもないものとして、生成と崩壊の同時表示である、塔のモチーフに託した。
”CITY"(都市): 摩天楼のシリーズから派生したもので、人間の情念の集合体としての都市をイメージ。人間の集合的無意識のシンボルととらえている。