思い出
何年前だっただろう。
老人ホームの書道クラブへボランティアに伺っていた時期がありました。
たまたま会社が休みの水曜日が書道クラブだったということと
高齢者と接する機会を持てたらいいなという思いなどもあり訪問していました。
その時にお手本として書いたものが片付けていたら出てきました。
老人ホームでは参加者さんが希望する言葉を書いてもらうようにしようと即興揮毫していたもので
さすがに内気な方だと決められなかったりするので予め言葉を決めたりすることもありました。
なごり雪は、おばぁちゃまに人気でした。
希望、生き甲斐のどちらを書こうか迷われた当時100歳手前のヒロシさんというおじぃ様がいました。
第二次世界大戦において中国大連やハルビンを空軍戦闘員として従軍された方でした。
どちらにするか迷われていたので
「ヒロシさんにとっての希望はなんですか?夢とかありますか?生き甲斐は何ですか?」と質問してみたところ
「夢や希望?そんなのありゃしない」「生き甲斐?あるわけない」
まさかの切り返しに撃沈された記憶があります。
その後、施設長の変更やクラブの活動日の変更もあり、おじい様やおばぁちゃまには会えなくなりましたが貴重な経験をさせて頂いたと思っています。