墨色
作品をつくるにあたり必須アイテムの墨。
作品制作同様、その日の気温や湿度に左右されるので、なかなか納得がいく墨色になるまでには苦労する。
手磨りと機械磨りでも違いは生じるが、墨液と磨った墨ほどの格差は生じない。
まず作品制作において墨液を使うことが間違いであることは常識。
深み、奥行きが磨った墨にはあるが、墨液にはそれがない。
薄っぺらいうえ、黒色が際立たない。
ただ1つ。どうしても墨液を使いたい方や管理が厳しい季節には手磨り出来るタイプを使用するといいと思う。
機械磨りと手磨りの場合は、墨の粘度の問題がある。
機械磨りは濃墨が出来やすいので重たくなりがちである。
この重厚感を嫌う先生がいるのも事実だが、逆に評価する先生もいる。
要は使い方。古典臨書やイメージする作品が重厚感があるものなら濃墨の方が適しているからだ。
一番いいのは機械磨りで作った墨を書く前にもう一度手で磨ること。これがいい。