線の表情
古典研究で着目するポイントは形だけではありません。
大事なのは線の表情を読むことです。
それぞれの古典は書いた人も違えば時代も異なっています。
それらを踏まえると人間性や時代背景からアプローチして線の表情を探るのがいいかもしれません。
その表情は、線の厚み、呼吸、深さから成り立っています。
目に視える形だけを追っていって書いていっただけでは線の厚みや呼吸、深さは見えてきません。
じっくりと古典を見つめ、一画一画が何を語りかけるのか。
それを心の眼、耳で感じ取るのです。
古典が放つ雰囲気を感じながら運筆するように心掛ければ自然と深い線が書け、その呼吸を感じることが出来るようになります。
写真は褚遂良『枯樹賦』になります。