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イベント訪問レポート
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松坂屋
コレクション
松坂屋美術館
着物
工芸品
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松坂屋が呉服デザインのために収集した染色美術工芸品の展覧会に行ってきました。


内容の濃さは予想以上で、桃山時代の着物や生地から、お姫様のお嫁入り道具の蒔絵のセットや豪華な貝合わせ、江戸後期の装飾性の強い甲冑、松坂屋が描かれた江戸~昭和の浮世絵もあり、面白い内容でした。


松坂屋デパートの起源を知っていますか?
今回初めて知りました。
1611年、織田信長の家臣で清州城城下に住んでいた伊藤蘭丸祐道が、信長が死んだため、出来たばかりの名古屋城の城下町に移って呉服の小間商「伊藤屋」を構えたのが始まりなんだそうです。

名前から想像するに、美少年だった森蘭丸のように、きっとファッションセンスのあるおしゃれな人だったのでしょうね。

その子孫が、それまでは、正札(値札)が商品にはついてないのが一般的だった中、定価がはっきりしているという意味の「現金掛け値なし」という商法で大成功し、ファッションの本場京都に仕入れ店を開設。

そして、岡崎に出店、江戸・上野にあった松坂屋を買収して、チェーン展開していったのだそうです。

全国展開を考えて、松坂屋の名前に統一し、その後は皆さんも知る所です。

今回の着物の展示で面白かったのは、桃山時代の小袖から、かたちの流行、丈、柄模様の流行が時代時代でいろいろあったのが良く分かったことです。

細かい柄模様の流行の後は、大柄で大胆な柄が来てますし、帯も前で結んだり後ろで結んだり流行があったそうです。

また、江戸時代には町民、農民が華美になるのを禁ずる制約が着物にもあって、紫、梅の紅色の染め色は禁止とか、金糸は禁止で、一般人は藍色や草染めの絹や木綿を着たのだそう。

明暦の大火のあとは、流行も質素で地味に。きっと町の復興が大変でファッションにかける比重は低くなったり、服も燃えてしまって華美な物よりも実用的なものが好まれたのでしょう。


武家の着物の展示品は時代とともにどんどん華美になって、江戸後期のものなどは刺繍も素晴らしかったです。

松坂屋(伊藤屋)は徳川家のお姫様の着物の御用達で、そのデザイン画の展示もありました。江戸城にも出入りしていたんだそうです。

江戸後期の甲冑もデザインや色が派手で良かったです。実用というより、おしゃれに人より目立つのを意識したような奇抜なデザインでした。

浮世絵絵画は、松坂屋上野店の江戸時代の店内の売り場の様子(畳じきの店で反物を広げてお客にみせてるような)とか、名古屋の松坂屋本店前で昭和初めに起きた米騒動暴動の様子など知ってる場所の昔の様子が観れてすごく面白かったです。



また、マイセン磁器や、バカラの会社が、コレクションの着物の伝統柄からデザインを起用した商品の展示もあって、目の保養になる良い展覧会でした。

2011/02/24 00:18 投稿

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