ロングテールズFILE;vol.24/ミヒャエル・ハネケ『白いリボン』で『堕落論』坂口安吾 UPしました!
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投稿日 | 2011年11月04日 22:52 |
最近、以前から観たい観たいと思っていた映画をようやく観た。
当代屈指の鬼才、ミヒャエル・ハネケ監督の最新作『白いリボン』である。
この作品は、第一次大戦前夜、ドイツの片田舎を舞台に、静謐で美しい歴史写真そのものの風景の裏で、秩序と美徳に押し込められた人間性の、実は陰湿で、独善的な本性を淡々と浮き彫りにするものである。
全てのカットが息を呑むほど美しく、役者の風貌、身のこなし、画の構図など、およそこの上は考えられないほど、映画の最重要命題としての〝喪われた時の再生〟を完遂させている。
一方、この作品の場合い、こうした究極美の対比としてこそのハネケ・ワールドなのである。
この作品をありきたりの〝謎解きゲーム〟と取り違えて来た鑑賞者には、例によって、手酷いもやもやした後味悪さを残したかもしれない。
つまり、誰がどの件の犯人であるか、などは、何れ筋立てて考察してみれば推理できるだろう。しかし、そもそも、なぜ貴方は〝誰が〟を特定することが、即ちこの問題の解決だと考えるのか?という、それ自体、ハネケ流の痛烈な問い掛けに晒されるわけである。
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