与えられた形象-辰野登恵子/柴田敏雄
2012年8月8日(水) ~2012年10月22日(月)
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<国立新美術館>
東京藝術大学油画科の同級生であった辰野登恵子(1950生)と柴田敏雄(1949生)は、絵画と写真という異なった道に進み、それぞれ独自の方法論を築いて、すぐれた作品を生みだしています。
本展では、両者の作品を対比しながらその本質を探ります。
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イベントDATA
辰野登恵子(1950 生)は、現代日本を代表する抽象画家として、高い評価を受けている。その展開は、方眼紙をシルクスクリーン製版し、部分的に塗り消しては重ね刷りしていく70 年代のモノタイプ作品から、ストロークによるイメージの生成を定着した画面を経て、1990 年代以降の鮮やかな色彩と物理的な存在感に満ちた形象を特徴とする絵画へと展開している。一方、柴田敏雄(1949 生)は、留学先のベルギーにおいて1970 年代半ば頃から写真による制作を開始し、山野に見出される大規模な土木事業を重厚なモノクローム写真に定着した「日本典型」連作などによって国際的に高い評価を受けた。人工物と自然が共存する景観を切り取り、強固な造形性を実現する作品は、近年ではカラー写真に媒体を写すことにより、新たな魅力を獲得している。この展覧会は、絵画と写真という異なったジャンルにおいて活動する二人の作品を対比しつつ、イメージと作品の生成のメカニズムを探ろうとするものである。
東京藝術大学油画科の同級生であった辰野と柴田は、同大学および大学院在学中に、やはり同級生の鎌谷伸一とともにグループ、コスモス・ファクトリーを結成、アメリカのポップ・アーティスト、アンディ・ウォーホル等によって美術に導入された写真製版によるシルクスクリーンをいち早く日本で実践し、グループ展などの活動を行った。だがその後、辰野は絵画、柴田は写真と、それぞれ異なった活動領域に専念していくことになったため、両者の共同活動は、1995 年に東京のある画廊で行った二人展を数えるのみである。とはいえ、二人の芸術の生成には、見過ごしにすることのできない共通点があるように思われる。それは、所与の形象から出発し、自律性を持った作品を生み出していることである。
辰野においては、壁のタイルや鉄製の階段に見出された装飾パターン、積み重ねられた箱や、はてはミニスカートから覗く膝まで、偶発的に見出された形象がモティーフとして選ばれ、そこから豊かな色彩と形態感覚を特徴とする情感に満ちた抽象絵画が生み出されている。一方の柴田にあっては、山奥に点在するダムや治水事業などの大規模な土木工事の、人工的で時に幾何学的な形象が、自然の植生や山塊の形象と組み合わされ、たくまざる造形美が生まれる光景が、巧みに抽出され、隅々まで緊張感のみなぎる画面として定着されている。二人の作品においては、この世界の中に偶発的に見出された、それ自体としてはとくに深い意味を持たない平凡なモティーフから採られた形象が、純度の高い抽象的な造形へと昇華されているのである。
展覧会では、1970 年代のコスモス・ファクトリー時代から現在に至る、二人の作品の中から、代表的な作品やシリーズを精選し、基本的にはそれぞれの作家の特質を明らかにしながら、時折は両者の作品を併置し、ポップ・アートとミニマル・アートの影響を受けて自己を形成した最初の世代が、質の高い独自の芸術を作り上げていった様を紹介する。
*掲載画像について
柴田敏雄
《埼玉県秩父市》
2007年
Type-Cプリン ト
80.0×100.0cm
東京国立近代美術館蔵
開催日 | 2012年08月08日~2012年10月22日 |
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会場 | 国立新美術館 企画展示室2E |
会場住所 | 東京都港区六本木7-22-2 地図 |
地域 | 東京 / 港区・文京区(六本木など) |
アクセス | ◎東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結) ◎都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口 徒歩約4分 ◎東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口 徒歩約5分 |
入場料 | 当日券 1,000円(一般)、 500円(大学生) 団体券 800円(一般)、 300円(大学生) 高校生、18歳未満の方および障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名を含む)は無料 その他詳細はイベントURLよりご確認ください。 |
営業時間 | 10:00 ~ 18:00(金曜は10:00 ~ 20:00) ※入場は閉館の30分前まで。 毎週火曜日休館 |
イベントURL | http://www.nact.jp/ |
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