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<出光美術館>
出光コレクションの中国白磁を中心に、さまざまな産地や時代の白いやきものによって、優れたやきものを鑑賞していただき、その魅力を存分に味わっていただくと同時に、その背景にある各民族の美意識に思いを馳せていただきたいと思います。

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やきものに親しむⅨ 東洋の白いやきもの ―純なる世界  【併設 仙厓】

白く美しいやきもの――白磁は、6世紀の中葉に、中国陶磁のニューウェーブとして誕生しました。中国陶磁は、青磁を主流として発展してきましたが、初期の白磁は、北中国において、その青磁釉の鉄分を去ることによって生まれました。白い素地に透明になる釉薬をかけて高火度で焼く白磁の出現には、当時すでに盛んであった東西交流の刺激、とくに西方のガラス器あるいは銀器への憧れが動機となったとも考えられます。
白磁の発展は、磁器質の本格的白磁の出現によって加速されます。その嚆矢は唐時代のけい窯(けいよう)・定窯(ていよう 河北省)の白磁で、晩唐~五代の頃には江南でも白磁生産が始まっています。宋代になると、白磁の生産は中国全土にひろがり、緊張感に満ちた峻厳な器形の宋磁にふさわしい代表的な陶磁になりました。華北では定窯白磁をモデルにして山西省・陝西省・安徽省・遼寧省・内蒙古自治区で、江南では景徳鎮(けいとくちん 江西省)を中心として福建・広東で白磁が焼かれ、その製品は海外にも販路を拡げてゆきました。
元時代、白磁は御器として宮廷用什器の中にとり入れられ、国家の祭器が、青磁に代わって景徳鎮白磁であつらえられるようになります。これは、元朝の支配層モンゴル民族が、白(「純」)を尚(たっと)んだことに起因しています。以来白磁は景徳鎮官窯で焼造されることによって、ますます洗練されてゆきました。藍釉磁器・紅釉磁器・釉裏紅(ゆうりこう)磁器、青花(せいか)磁器なども、白磁の技法のうえに生まれました。また明時代後期からの福建省徳化窯(とっかよう)の象牙色の白磁は、ヨーロッパに装飾用磁器・テーブルウェアとして輸出され、「ブラン・シーヌ(中国の白)」として称賛をあつめました。
朝鮮や日本の白いやきものは、中国白磁の影響のもとに始まりましたが、それぞれの民族の独特の受容と発展ぶりを見せます。朝鮮では、柔らかみのある肌合いの白磁が、そもそも白を尊ぶ民族意識のうえに儒教思想が厳格に受け入れられたことにより、祭器として官窯の主製品になりました。日本では、17世紀にようやく磁器が始まりますが、白いやきものとしては、美濃焼や京焼の陶器によるものが、日本的な器形の白いやきものとしてまず登場しています。その中で、本来黒釉の唐物天目の器形を白釉でおおった白天目は、日本的な自由な着想が成功した名品と言えるでしょう。
今回の「東洋の白いやきもの」展では、出光コレクションの中国白磁を中心に、さまざまな産地や時代の白いやきものによって、優れたやきものを鑑賞していただき、その魅力を存分に味わっていただくと同時に、その背景にある各民族の美意識に思いを馳せていただきたいと思います。
また、併設として出光コレクションを代表する江戸時代の禅僧・仙がいの作品を展観します。仙がいにとっての「第二の故郷、筑前・博多」の風景・風物とともに、「愛すべき自然」が教えてくれる教訓の数々をお楽しみください。

開催日 2012年08月04日~2012年10月21日
会場 出光美術館
会場住所 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階(出光専用エレベーター9階) 地図
地域 東京 / 千代田区・中央区(銀座など)
アクセス JR「有楽町」駅 国際フォーラム口より徒歩5分
東京メトロ有楽町線「有楽町」駅/都営三田線「日比谷」駅
B3出口より徒歩3分
東京メトロ日比谷線・千代田線「日比谷」駅 有楽町線方面 地下連絡通路経由
B3出口より徒歩3分
入場料 一般 1000円
高・大生 700円
中学生以下無料
(ただし保護者の同伴が必要です)
※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
営業時間 午前10時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで
(入館は午後6時30分まで)

休館日
毎週月曜日
(ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館)
イベントURL http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/
東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階(出光専用エレベーター9階)

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