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<国立国際美術館>
現代美術界を代表する映像作家・フィオナ・タン。彼女の初期から近年までの代表作を紹介する、関西初の大規模な個展です。

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フィオナ・タン まなざしの詩学

フィオナ・タンは、1966 年、中国系インドネシア人の父とオーストラリア人の母のもとにインドネシアで生まれ、オーストラリアで育ちました。その後、ヨーロッパに移住し、現在はオランダのアムステルダムを拠点に活躍している映像作家です。
初期の代表作《興味深い時代を生きますように》(1997)は、彼女の出自を探る映像作品で、インドネシアにおける反中国人暴動によって離散した自身の一族を追ったドキュメンタリー・フィルムです。この作品は、現代の民族間の問題をも含んだ文化的多元性を象徴的に示しているという点で高く評価されました。この作品を足がかりとして、タンは、人間の存在が時間や場所とどのように関わっていくのかという簡明ながらも根源的ともいえるテーマを表現するようになります。例えば、本展に出品される《リフト》(2000)は、30 個余りのヘリウムガスが入った赤い風船によって作家自身が空中に浮かぶ様子を映した映像作品です。それは、タンばかりでなく、多くの人々が子供の頃に一度は夢想したであろうことを現実化したとも言えるでしょう。
さらに、近年において、タンは、初期作品で試みたアイデンティティの探求から、そのアイデンティティを作り上げる記憶へとテーマを推移させます。2009 年のヴェネチア・ビエンナーレで発表した《ライズ・アンド・フォール》(2009)は、水の流れと女性の生活を対比的に見せることによって人の記憶を隠喩しています。また、同時に発表した《ディスオリエント》(2009)では、マルコ・ポーロ(イタリアの商人・冒険家、1254-1324)の旅行記『東方見聞録』を題材に、長大な時間をまたいだ人類の文化的記憶を表現しました。
本展は、タンの初期から近年までの代表作 17 点によって、彼女が追求してきたテーマの変遷をたどろうとするものです。フィオナ・タンの作り出す映像世界を通じて、人類が積み重ねてきた文化的記憶と共に個々の人間の中に形成される様々な感情が、見事に形象化されていることを実感されるでしょう。

*掲載画像について
フィオナ・タン
《リフト》
2000年
東京都写真美術館蔵
フィルム&ヴィデオ・インスタレーション
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
※画像の無断転載禁止

開催日 2014年12月20日~2015年03月22日
会場 国立国際美術館 地下3階展示室
会場住所 大阪府大阪市北区中之島4-2-55 地図
地域 京阪神 / 大阪
アクセス 中之島線 渡辺橋駅(2番出口)より南西へ徒歩約5分
地下鉄四つ橋線 肥後橋駅(3番出口)より西へ徒歩約10分
御堂筋線 淀屋橋駅(7番出口)より土佐堀川を越え西へ徒歩約15分
JR大阪環状線 福島駅/東西線 新福島駅(2番出口)より南へ徒歩約10分
大阪駅より南西へ徒歩約20分
阪神福島駅より南へ徒歩約10分
阪急梅田駅より南西へ徒歩約20分
入場料 一 般 900(600)円
大学生 500(250)円
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下・18歳未満、心身に障害のある方とその付添者 1名無料(証明できるものをご提示願います)
※本料金で「コレクション3」もご覧になれます
営業時間 10:00─17:00
※金曜日は19:00 まで
(入場は閉館の30分前まで)

休館日
月曜日(ただし、2015年1月12日(月・祝)は開館、13日(火)は休館)、
2014年12月29日(月)─ 2015年1月3日(土)
イベントURL http://www.nmao.go.jp/
大阪府大阪市北区中之島4-2-55

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