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精密な風景画と、同一地点から撮影した映像をキャンバス上で重ねあわせる独自の手法で数多くの作品を発表するヤマガミユキヒロの個展。本展では、様々な土地を巡って描いたドローイングによる「キャンバスプロジェクション」約14点を中心に、ヤマガミが視点を向け、切り取ろうとする風景の断片に触れることとなるはずです。

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Noises,Crowds,and Silent Airs:ヤマガミユキヒロ 展

 2000年に京都精華大学美術学部を卒業したヤマガミユキヒロ(1976年・大阪府生まれ)は、関西を中心にこれまで多くの個展・グループ展を重ねながら活動を続けています。その代表的な作品は、おもに鉛筆による精密な風景画(絵画)と、同一地点から撮影した映像をキャンバス上で重ねあわせる「キャンバス・プロジェクション」という独自の手法によるもので、絵画と映像のレイヤードによる作品はこれまでに高い評価を得ています。

 綿密なロケハンにより選び出した視点から見える風景から、ヤマガミはうつろうことない建築や構造物を鉛筆で丹念に描画します。パネル上に描かれたその風景画には、同一の視点(地点)から時間や季節を跨いで何度もロケを重ねた映像をプロジェクターにより投影します。それにより、一瞬をとどめたモノクロの絵画上に、映像による光や色彩、うつろいが投影され、画面上に時間が流れはじめます。

 2003年よりこの手法に取り組でいるヤマガミは、2008年に「第11回 岡本太郎現代芸術賞展」(川崎市岡本太郎美術館)において特別賞を受賞。以後も『都市の印象』『物語のための物語』といったテーマの基に2012年の「始発電車を待ちながら」(東京ステーションギャラリー)、2013年の「re:framing-表情の空間-」(京都芸術センター)、2014年の「窓の外、恋の旅。/風景と表現」(芦屋市立美術博物館)、「TARO賞の作家Ⅱ」(川崎市岡本太郎美術館)、現在開催中の「テンプス・フーギット – 大山崎山荘とヤマガミユキヒロの視点」(大山崎山荘美術館)などの発表の機会ごとに、訪れた先々で『何を描くか』を考え、その対象となる風景を選び出し、必然的な描き方や映像編集により作品を展開しています。

 本展タイトルである「 Noises,Crowds,and Silent Airs 」は、京都の四条大橋東詰から西を望んだ作品のタイトルに由来しますが、同時に2003年に同じく四条大橋に取材し、キャンバス・プロジェクションの手法を用いて初めて制作した作品タイトルと同様のものでもあります。

 ヤマガミがキャンバス・プロジェクションによる作品に取り組みはじめておよそ12年目にあたる本展は、この同名作品の最新作をはじめ、近年にヤマガミが各地でロケをおこなう中で制作したタブローによるキャンバス・プロジェクション作品およそ15点以上を一堂に展示するもので、近年のヤマガミの活動にともなうロードムービー的な側面を持ったスピンオフ作品の展示でもあります。

開催日 2015年05月16日 11:00~2015年05月31日 18:00
会場 Gallery PARC
会場住所 京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48 三条ありもとビル 地図
地域 京阪神 / 京都
京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48 三条ありもとビル

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