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笠間悠貴は、2008年12月にギャラリー山口で開催された写真展「風景をかじったねずみ」以来、大判カメラを使ったモノクロ作品を制作してきました。2013年の「顫え(ふるえ)」以降は気象、特に風をテーマに撮影を続けています。本展では、山形県の「月山」と、ラダック地方ラマユルの「月世界」という名の場所で撮影された新作が発表されます。

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笠間悠貴写真展「metaphors」

笠間悠貴は、2008年12月にギャラリー山口で開催された写真展「風景をかじったねずみ」以来、大判カメラを使ったモノクロ作品を制作してきました。2013年の「顫え(ふるえ)」以降は気象、特に風をテーマに撮影を続けています。気象、被写体として直接写り込むことがなくても、光の状態や湿気などを通じてフレーム全体に影響を及ぼすものです。形なきものをあえてテーマにすることで、写真の持つ指標性を問い直し、痕跡とイメージの関係を思考する試みでもあります。
本展では、山形県の「月山」と、ラダック地方ラマユルの「月世界」という名の場所で撮影された新作が発表されます。二つ離れた場所に共通する「月」という名前は、まるで月面のように荒涼とした土地であるということを示しています。つまり気温、風、雲、高度などの理由によって植物が育ちにくい環境にある場所だということです。植物の極めて少ない鉱物的な世界で、風は一切の痕跡を写真には残しません。なぜなら、どれほど強く風が吹こうとも、山はびくともせずそこにあり、揺れ動くものは存在しないからです。そうして風が吹き抜ける谷は写真になったとき、大気の存在しない月のように静かに現れます。痕跡として残されなかった風に思いを馳せることは、フレームの外側へと意識を向けることだと言えるでしょう。写真家の意識を越えたところからやってくる風景の細部を頼りに制作された、慎ましいモノクロ写真です。

◎展示内容/ゼラチンシルバープリント 10点

【笠間悠貴略歴】
1980年、大阪府生まれ。明治大学大学院博士後期課程在籍中。「風景をかじったねずみ」(ギャラリー山口・東京、2008年)、「再生」(コバヤシ画廊・東京、2011年)、「顫え」(コバヤシ画廊・東京、2013年)、「顫え2」(MUSÉE F・東京、2014年)、「Air」(GALLERY mestalla・東京、2015年)、その他グループ展多数。

開催日 2015年12月10日~2015年12月27日
会場 photographers’ gallery
会場住所 160-0022 東京都新宿区新宿2-16-11-401 地図
地域 東京 / 渋谷区・新宿区(表参道・青山など)
160-0022 東京都新宿区新宿2-16-11-401
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