山本昌男「手中一滴」
2019年10月5日(土) ~2019年12月8日(日)
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デビュー作から最新作まで約170点を展示!
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イベントDATA
【画像キャプション:山本昌男《盆栽 #4027》2019年 ©Yamamoto Masao】
山本は、愛知県蒲郡市の代々建築に携わる家に生まれ、“ものつくり”の精神と、豊かな自然に囲まれて育ちます。自ずと日常の中に美を見出し、写真や絵画などの表現活動に取り組むようになりますが、20代半ばに写真を自身の表現手段に選びます。
山本が、海外で活動を始めるきっかけとなったのは、1993年に発表した作品<空の箱>・<中空>シリーズでした。手のひらサイズの小さな写真を、旅の思い出のようにアンティークの革鞄に詰め込んだ展示や、絵を描くように壁に展示するなど 、写真によって空間全体を構成する実験的なインスタレーションは、 新鮮な印象をもたらしました。同時に、一枚一枚の写真が持つ古写真のような色合いと質感は、圧倒的な存在感を放っていました。日本人ならではの精神性、美意識を湛えたそれらの作品は、すぐにアメリカのギャラリーよって見出され、欧米での発表へと繋がっていきました。
■その後の展開と、影響を与えた考え方
やがて山本は、集合的なインスタレーションから、一点一点をフレームに入れ、より深くイメージとの心の対話を誘う作品へと変化していきました。「人間は、自然のほんの一部分であり、一体化した存在」という信念のもと、身近な動物や植物、風景など、日常誰もが目にする自然や、見過ごされそうな小さなもの、些細な出来事を大切にすくい上げていく作品を次々と発表。超絶的と言われるモノクロ技法により、繊細な息づかいと緊張感を孕んだ作品へと醸成させていったのです。
山本に大きな影響を与えたのが、「積極的受動性」という 禅の教えでした。「世界(自然)と一体化する安らかな感覚を知ったとき、森羅万象に対する敬意と謙虚な思いが自ずと生まれ、地球上も宇宙も含む全ての感性の中に包み込まれる。」山本が写真を撮る際に研ぎ澄まそうとしたこの境地への憧れが、洋の東西に関わらず多くの人が山本の写真に惹かれる理由かもしれません。
■山本昌男略歴
1957年、愛知県蒲郡市に生まれる。祖父は寺の鐘撞堂の彫刻を請け負うほどの名大工。代々建築に携わる家系に生まれ、“ものつくり”が日常の環境で育つ。それ故、美を追求することが自分の生きる意味であると感覚的に掴んでいた。16歳でカメラを購入して撮影を始める。その後、油絵にも取り組むが、最終的な表現手段として写真を選ぶ。1993年、写真作品の発表を始めるとすぐに、アメリカより来日したディーラーによりアメリカ各地の画廊へ作品が紹介され、1994年サンフランシスコでの初個展を皮切りに、欧米各地での発表を活発に行っている。作品は、ゼラチン・シルバー・プリント技法が中心。古写真のような色合いと質感は、日本人ならではの精神性、美意識と高く評価され、ニューヨーク・タイムズ他、欧米のアート誌などのメディアへも多数掲載されている。
2007年、横浜市より山梨県北杜市に移住。アメリカのNazraeli Pressより写真集『空の箱』(1998)、『中空』(2001)、『わかばのみち』(2002)、『オオミズアオ』(2003)、『ゑ』(2005)などを刊行。2014年、作家活動の集大成となる写真集『小さきもの、沈黙の中で Small Things in Silence』を青幻舎/スペインのEditorial RMとの共同出版にて制作し、日本国内にて初めて出版した。2018年、モスクワのマルチメディアアート美術館にて開催された「Yamamoto Masao. Photography」展には、2ヵ月間に約48万人が訪れた。海外のアート・コレクターに多くのファンを持つ。本展開催と同時に、盆栽作品の写真集『手中一滴』(T&M Projects)が発行される。
■見どころ
【世界を魅了する“盆栽”とは】
山本が撮影した盆栽は、すべて盆栽師・秋山実(1979-)氏によるものです。秋山氏は、当館の位置する北杜市に隣接する韮崎市にて「秋山盆栽園」の代表を務め、史上最年少で盆栽界最高峰の内閣総理大臣賞の受賞をはじめ、数々の賞を受賞。内外でのデモンストレーションやワークショップを通して盆栽の普及・発展に尽力する若手盆栽芸術家です。
盆栽とは、鉢の中で植物を育てることですが、鉢の中に盆栽師の美意識と感性を加えられたものが芸術品として完成された盆栽となります。その極意は、自然よりも優れた理想の世界を創り出すこと。本展会期中、(1)山本の<盆栽>作品を前に、作り手と写真家、盆栽をめぐる二人の表現者がトークを行う「アーティスト・トーク」(2)実際に盆栽を作る「盆栽ワークショップ」を開催いたします。詳細は次ページをご覧ください。
開催日 | 2019年10月05日~2019年12月08日 |
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会場 | 清里フォトアートミュージアム |
会場住所 | 山梨県北杜市高根町清里3545-1222 地図 |
地域 | 甲信越 / 山梨 |
入場料 | 一般 800円(600円) 大学生600円(400円) 中・高生400円(200円) 友の会・会員無料/( )内は20名様以上の団体料金/ 家族割引1,200円(2名~6名様まで) |
営業時間 | 10:00~18:00(入館は17:30まで) 休館日:毎週火曜日 |
イベントURL | http://www.kmopa.com |
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