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加速するデジタル社会にニヒリズムとポップを融合した一石を投じるステファン・ブルッゲマン。3年ぶりの個展

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ステファン・ブルッゲマン「ALLOW ACTION (GOLD PAINTINGS)」

ステファン・ブルッゲマンはロンドンとメキシコシティーを拠点に、彫刻、映像、ペインティングやインスタレーションなど、異なる領域を横断しながら制作を続けるアーティストです。我々が日常的に目にする、ニュースやSNS、街なかに溢れる広告などのテキストを、辛辣な現代社会批評とポスト・ポップの美学的視点を交えて巧みに組み合わせ、日々加速するデジタル社会にはびこる矛盾をあぶり出します。鮮やかな色彩と鏡やネオンサインといった身近な素材を操り、時代性を読み取る透察力をポップに具現化する手法が高い評価を得ており、2019年にはパリのポンピドゥー・センターで大規模なインスタレーション作品を展示するなど、各国で展覧会やプロジェクトを展開しています。



今回の個展「ALLOW ACTION (GOLD PAINTINGS)」で発表されるのは、2020年のコロナ禍ににおけるロックダウン期間に新たなシリーズとして生まれた「Gold Painting」シリーズの新作10点です。紀元前から高貴な人々だけが装飾品として身にまとい、儀式や葬いで象徴的に用いられるなどスピリチュアルな存在であり続ける金。その後、1816年にイギリスで貨幣の価値基準として金を用いる「金本位制」が施行されるなど、価値の高いものの象徴として経済的な面でも珍重されてきました。このスピリチュアルと経済という相反する局面において、その価値を変動させ続ける金から作られる金箔を作品に用い、ブルッゲマンは不確かな現代における物の価値を問いかけます。「Gold Painting」は、カッティングシートに写しとったテキストを木製パネルに貼り付けた上から、金箔をラフに手で擦り付けながら何層も重ねた後、パネルの裏面からタッカーを打ったり、ナイフで表面を傷つけたりすることで描かれます。そうすることで、身体的な動きの痕跡や金箔の裂け目から見える下地の色の重なり、所々めくれ上がった金箔の風合いなど、それぞれに表情の異なる作品が生み出されました。表面を覆う金箔は微かな光をも反射し、作品につけられた傷や微かな起伏は露わになり、増幅されます。それはそのまま、作品上に現れる文字列の向こうに途方もなく広がり続ける、デジタル社会に氾濫するテキストの洪水を想起させる装置となるのです。

開催日 2021年09月18日~2021年10月23日
会場 KOTARO NUKAGA(六本木)
会場住所 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 2F 地図
地域 東京 / 港区・文京区(六本木など)
営業時間 11:00-18:00 (火-土) ※日月祝休廊
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 2F
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