須藤玲子氏 特別展覧会:『サーキュラー・デザイン ― kibiso はつづく ―』
2021年9月18日(土) ~2021年10月17日(日)
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シルクの可能性を未来につなぐ鶴岡のイノベーション
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イベントDATA
日本有数のシルクの産地である山形県鶴岡市は、その革新的な布づくりで知られるテキスタイルデザイナー須藤玲子による、鶴岡での布づくりを紹介する展覧会『サーキュラー・デザイン ― kibiso はつづく ―』を9月18日(土)よりスタートしました。鶴岡シルク発祥の地であり、今年150年の節目を迎える松ヶ岡開墾場で開催される本展では、須藤の監修のもと開発に成功した「kibiso(キビソ)」をはじめ、当時の開墾魂を未来につなぐ豊かでサステナブルなテキスタイルの世界が紹介されています。
世界が注目する鶴岡のイノベーション素材kibiso
鶴岡は養蚕から製糸・製織・精練・染色・縫製までの工程を域内に有する世界でも類をみないシルクの産地です。その鶴岡で2007年に、国内では2箇所だけとなった製糸工場のひとつである松岡製糸を訪れた須藤は、蚕が繭をつくる際に最初に吐き出す糸である「きびそ」と出会い、あらたなテキスタイルをつくることを思いたちます。当時「きびそ」は硬くて太く加工が難しいことから織物には不向きとされていましたが、須藤のアドバスによりこの「きびそ」を細い⽷に加⼯する技術の開発に成功します。こうして誕生した「kibiso」は独特の張りと天然の保湿性、抗菌性、紫外線カット効果などを備える魅力的なテキスタイルに生まれ変わりました。材料を無駄なく活用しながら高いデザイン性と機能性を実現させた「kibiso」の取り組みは、繊維産業の大量廃棄が問題となるなか世界的にも注目を集め、アメリカのクーパーヒューイット博物館、イギリスのビクトリア&アルバート博物館に永久保存されているほか、現在も複数の美術館から展覧会の要請が寄せられています。
工場・職人との対話が生む豊かなテキスタイルの世界
会場では「kibiso」を中心に様々な表情のテキスタイル29点が天井から吊るされ、その間を自由に歩いて鑑賞できるほか、ショーケースに並べられたデザイン画や試作品からその創作プロセスに触れることができます。これらはいずれも須藤がディレクターを務めるテキスタイル・デザインスタジオNUNO(ヌノ)のメンバーと共に手掛けたものですが、そのアイデアの多くは日本各地の優れた工場や職人との対話のなかで生まれたものです。伝統的な素材や生産工程を見直し、現代の技術やマーケットにあわせて進化をさせていくこと、それこそが須藤のクリエーションの真骨頂であり、「kibiso」もまた鶴岡のシルク産業に携わる人々の情熱と高い技術力との出会いによって生まれたものです。
続く新しいチャレンジ「おがらみちょし」
須藤は鶴岡で「kibiso」に続く新しいテキスタイルの開発にも着手をしています。絹の製糸工場で発生する細い金属管にからまった糸の副産物「おがらみちょし」を活用したもので、シート状に裂くことができるこの素材を用いたテキスタイルも本展の見どころのひとつです。「おがらみちょし」も廃材を減らし環境負荷を減らすサステナブルな取り組みのひとつですが、同時にそれは新しいテキスタイル表現の探求でもあります。
開墾から150年、開拓の精神がシルクの未来を拓く
鶴岡のシルク産業は1872年(明治5年)に戊辰戦争で敗れた旧庄内藩士たちが松ヶ岡の地で「刀を鍬に」持ち替えて桑畑を拓き、養蚕をスタ−トしたことに端を発します。それから150年を迎える今、社会は当時と同じく大きな変革期を迎えています。あらゆる産業で持続可能な構造へのシフトが喫緊の課題となるなか、須藤と鶴岡の生産者による革新的な取り組みは、分野を超えて新しいものづくりや社会のあり方を模索する人々にヒントを与えるものです。旧庄内藩士の開墾の精神はこれからも引き継がれ、シルクの可能性を未来につないでいきます。
開催日 | 2021年09月18日~2021年10月17日 |
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会場 | 松ヶ岡開墾場 二番蚕室二階 |
会場住所 | 山形県鶴岡市羽黒町松ヶ岡29 地図 |
地域 | 東北 / 山形 |
入場料 | 無料 |
営業時間 | [年末まで延長予定]※水曜休館 開館時間:9:00〜16:00 |
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