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新型コロナウイルス流行に端を発し、厳しい世情の続く昨今、人麻呂がかつて死を見つめた情景を表題に込めた二人が描き出す「現代表現の今」

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瀬戸内ギャラリー第 3 回企画展 藏本秀彦・水谷一 美術展「国讃めと屍」

沖つ波来よる荒磯を 敷きたへの枕とまきて 寝せる君かも

これは飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂によるもので、瀬戶内海に浮かぶ島、現在は埋め立てられて陸続きとなっている沙弥島(香川県坂出市)を訪れた際、岸の岩場に倒れた亡骸を見て詠んだ歌の反歌です。

⻑歌では言葉を尽くし、美しい讃岐を礼讃しています。続いて潮時の強風、沖の大波、岸に騒ぐ白波の描写がなされ、そして人麻呂は岩場に倒れ、荒波を枕にする亡骸を見て、その人の家や配偶者に思いを馳せます。鎮魂のため、人麻呂はこの歌を死者への手向けの花としたのでしょう。讃歌的表現は当時、「言霊信仰に支えられ、願わしいことの実現を目論む予祝的な表現といえばいえると同時に、権力者の心に叶う表現」※であったようです。その一方この時、人麻呂が訪れた島では荒波があり、強く風が吹き、そして目に見える死がある。こうしたイメージはどこかこのコロナ禍における私たちの世界に重なって来るようです。本展タイトル「国讃めと屍」はこの歌を巡る、出品作家である二人の現代作家の対話から生まれました。

今回出展されている作品はこの展覧会タイトルほど直接的ではないものの、二人の作家が「鎮魂」や「記憶」、「過去と現代」、「当事者性」といったキーワードからイマジネーションを得たものとなり、そのテーマは資料館の主たる守備範囲である「⺠俗学」にとっても重要なものです。

⺠俗学は当初から「霊魂」の処理や行方、先祖の供養や無縁の霊が及ぼす災厄などについて強い関心をはらってきました。また、「話者」からの聞き取りを主たる資料としている⺠俗学にとって「聞き手」である採集者の客観性や当事者性、地域との向き合い方などは、「経世済⺠」を標榜してきた⺠俗学ゆえに、他の人文諸科学とは異なり、大きな課題ともいえるでしょう。表現者である芸術家と同様に対象への向き合い方がより問われる学問とも言えます。

新型コロナウイルス流行に端を発し、厳しい世情の続く昨今、人麻呂がかつて死を見つめた情景を表題に込めた二人が描き出す「現代表現の今」に是非ご期待下さい。

みどころ
​現在のコロナ禍は現代美術を取り巻く環境の脆弱性や課題をあらわにしました。私たちはその渦中において、地域と現代美術の関わりが、これからの暮らしにどのような変化や価値をもたらすのかに強い関心を抱いております。

本展のユニークな点は公と⺠が対等な立場で企画を共に立案・実行することで推進されてきたこと、そして瀬戸内の歴史を一つのインスピレーションの源泉としたアーティストの視点でもって⺠俗資料の持つ価値や意義をあらためて見つめ直しているという点にあります。 ぜひ、現場で、マターポートで、記録集で本企画に触れ、瀬戸内という地域のこれからとこれまでに思いを馳せていただければと思います。

開催日 2021年10月01日~2021年12月19日
会場 瀬戸内ギャラリー(瀬戸内海歴史民俗資料館 第1展示室2階)
会場住所 香川県高松市亀水町1412-2(五色台山上) 地図
地域 四国 / 香川
営業時間 開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は、原則として翌火曜日)
イベントURL https://www.setocole.com/kunihometoshikabane?lang=ja
香川県高松市亀水町1412-2(五色台山上)

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