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京都にアトリエを構え、94歳となる現在も意欲的に制作発表を続けている現代陶芸彫刻家・林 康夫氏(1928-)の個展

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林 康夫展

林氏は1928(昭和3)年、京都の陶芸家 林 沐雨の次男として生まれました。京都市美術工芸学校(現:京都市立銅駝美術工芸高校)では日本画を学びましたが、戦争により中断。自ら特攻隊に志願し、1945(昭和20)年8月に出撃する予定になっていましたが、出撃命令は下されることなく、終戦を迎えます。

戦後は父のもとで稼業を継ぐ形で陶芸を始め、1947年、前衛的な陶芸制作を目指して京都で結成された「四耕会(しこうかい)」に創設メンバーとして参加します。八木 一夫や吉原 治良など、同時代のあらゆるジャンルの作家たちとの交流を通じて、新しい陶芸への思考を深めていきました。当時誰も手がけていなかった、用に縛られない陶のオブジェを発表し、1948年には非実用的な陶芸の可能性を示唆した《雲》を発表。さらに1950年、フランス・パリで開催された「現代日本陶芸展」に若干22歳の若さで選抜され、出品した《人体》が、オブジェとしての高い評価を受けました。この頃の作品にはキュビスムの影響や、古墳時代の日本に見られる、直線と弧線が結合した独自の模様「直弧文(ちょっこもん)」が見られ、それまでの陶芸には見られなかった独自の造形へと向かっていきます。

その後1960年代から1970年代にかけて、より純粋な抽象形体へと制作をすすめていきますが、作品には少しずつ釉薬や白化粧などが施され、ある種の絵画性を帯びていきます。そして1980年代初め頃から、見る者の錯視(さくし)を誘う魅惑的な立体へと展開し、二次元(平面)と三次元(立体)が複雑に交錯する、極めて独創的な作品が制作されました。それは飛行兵として体験した夜間飛行の錯視経験に基づくものでした。



本展では、東京では初公開となる東日本大震災の被災地、福島・浪江町で見た廃屋に衝撃を受けて制作を始めた東北シリーズ「浪江町の景」を中心に、60年代の代表作も併せて展覧いたします。ゆがんだ白壁や屋根、ひっかいたような傷痕が表す震災のすさまじさと、素朴な手びねりの質感が絶妙に調和する林氏の世界観と、94歳を迎えてもなお止まることのない創作力を是非ご高覧ください。

開催日 2022年01月20日~2022年02月19日
会場 弥栄画廊 銀座店
会場住所 東京都中央区銀座7-10-8 第五太陽ビル1階 地図
地域 東京 / 千代田区・中央区(銀座など)
営業時間 11:00-18:00 日・月・祝休
東京都中央区銀座7-10-8 第五太陽ビル1階

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