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約400点の豊富な作品と資料を展示し、これまであまり知られることのなかった版画史の一側面に光を当てることで、戦後の開発と発展のかたわらにある「もう1つの日本」が浮かびあがってくるでしょう。

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彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動

【画像キャプション:小林喜巳子《私たちの先生を返して ―実践女子学園の斗い―》1964年、木版、530×1000mm、個人蔵】

*チケットプレゼント応募締切*
2022年4月24日(日)/1組2名
応募方法は文末に記載

子どものころ、学校で版画を作ったことはありますか?
日本の多くの学校で版画を学ぶのは、戦後の文化運動と深い関わりがあります。中心となったのは「日本版画運動協会」と「日本教育版画協会」という2つのグループ。どちらも民主主義への参加を呼びかける民衆文化運動が活発だった1940年代後半から50年代に誕生しています。当時の時代精神を背景に、版画を作ることで誰もが表現の主体となることを目指しました。

「日本版画運動協会」のメンバーに強い影響を与えたのは、半植民地化された中国を憂えた魯迅が主導した中国木刻(木版画)でした。敗戦間もない1947年、中国木刻が紹介され大きなインパクトを与えると、感銘を受けた人々が各地で巡回展を開き、版画熱が全国に伝播。1949年には「日本版画運動協会」設立に至ります。主要メンバーは飯野農夫也(いいの・のぶや)、上野誠(うえの・まこと)、大田耕士(おおた・こうし)、小口一郎(こぐち・いちろう)、鈴木賢二(すずき・けんじ)、滝平二郎(たきだいら・じろう)、新居広治(にい・ひろはる)、油井正次(ゆい・まさじ)らです。彼らプロの作家だけでなく全国のアマチュアも版画運動に加わり、労働運動、農民運動、平和運動に寄り添った作品を制作しました。同時に、当時注目された「生活綴り方(作文)」の文化運動を版画に応用した「生活版画」を打ち出し、暮らしの実相を描く作品の制作もしました。版画の複数制作の利点を生かして、社会運動の手段にも用い、また海外に作品を送って交流することも盛んに行われています。
1950年代後半に組織的な活動が途絶えた後、多くのメンバーはライフワークとなるテーマをおのおの追求しました。広く人気を博した滝平の切り絵の新聞連載や『モチモチの木』などの絵本もその一つです。

一方、日本版画運動協会設立メンバーの一人である大田耕士は、会メンバーや恩地孝四郎、平塚運一らの協力を得て1951年に「日本教育版画協会」を設立。小学校教員だった経験を活かし、学校教育で版画を普及し、教員と子どもが主体の民衆文化運動を目指します。
大田は初め生活綴り方に熱心な教員に呼びかけ、学級文集の挿絵で版画を推奨します。参加教員が多様になるにつれ絵が文集から独立し、子どもたちが取材した地域の生業・歴史や民話採集を題材に、版画集・大型作品を共同制作することにも発展。紙版画などの造形の遊びを考案して幼児にもすそ野を広げていきました。この影響で1958年には版画を制作が小学校全学年の学習指導要領に加わり、汎用的なカリキュラムが出来上がると同時に、熱心な教員によるユニークな教育実践も行われ続けます。これにより教科を横断する内容と集団活動で子どもの人間形成を目指す「教育版画」という日本独自のジャンルが確立していきます。
本展では約400点の作品と豊富な資料を通して、知られざる2つの民衆版画運動の全貌に迫ります。


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開催日 2022年04月23日~2022年07月03日
会場 町田市立国際版画美術館
会場住所 東京都町田市原町田4-28-1 地図
地域 東京 / 未定義
入場料 一般900(700)円、大・高生450(350)円、中学生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額
【無料日】展覧会初日:4月23日(土)
シルバーデー(65歳以上の方は無料):毎月第4水曜日(4月27日(水)、5月25日(水)、6月22日(水))※状況により中止
【割引】各種割引を実施(詳細は当館HPに掲載)
営業時間 10:00〜17:00(最終入場時間 16:30)
土日祝 10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日
イベントURL http://hanga-museum.jp/
東京都町田市原町田4-28-1
九州・福岡
2025/1/24 ~ 2025/2/2
東京・港区・文京区(...
2025/1/30 ~ 2025/3/16
東京・千代田区・中央...
2025/2/20 ~ 2025/2/20

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