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2019年に英・大英博物館に永久保存された浮世絵復刻作品9点、オリジナル作品3点の12点全作品を一挙公開

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木版画家 立原位貫、特別展

江戸の浮世絵を現代に甦らせた唯一の木版画家として、その業績が国内外から高く評価されている立原位貫(1951‐2015)は、当時の色彩及び技術の再現に尽力した研究者でもあり、江戸時代に使用されていた絵具・道具の研究を重ねた結果、日本の伝統的な浮世絵を技術的のみならず、学術的にも解明することに成功しました。その功績が評価され、2019年12月に、浮世絵復刻作品9点と、オリジナル創作作品3点の合計12点がイギリス大英博物館に永久保存されました。本展では、大英博物館所蔵作品12点を中心に、立原位貫の作品を代表するその他10点の作品も展示する貴重な機会です。

また本展では、世界遺産 仁和寺という展示空間を生かし、展示スペース全体を、こうした立原位貫の創作活動の世界観を体現するインスタレーション作品として、その約40年に及ぶ画業において、これらの代表作が生み出された創作活動の原点といえるアトリエの雰囲気を再現します。

大英博物館のアジア美術部門キュレイターであるアルフレッド・ハフト氏は「立原先生は江戸時代と同じ手法にこだわることで、当時の浮世絵師の域に近づき、その結果、日本の伝統的な浮世絵師たちの作品を復元させるだけでなく、絵師たち自身にも生命を吹き込む自信を得たのでしょう。北斎、国芳、写楽といった有名な絵師たちが、現代の画家のスタジオでポーズをとっていたらどのように表現されるかを、先生は生き生きとしたポートレートのシリーズで描いています。このシリーズでは、大首絵という伝統的な形式を採用しながらも、それぞれの絵師の “ある瞬間” を捉えて描くことで、彼らが現代の世に生きていたら‥という視点を投げかけています」と述べ、「特に北斎の肖像画は想像を掻き立てます。北斎の晩年のスケッチ風の自画像がいくつか残っていますが、この有名な絵師がどのような人物であったかは誰も知らないので、立原先生は自由に、絵師の個性や考え方に焦点を当てた表現をされたのでしょう。この作品の中で、浮世絵の洒落者たる北斎が好奇心で覗くような望遠鏡を覗いていないことに私は注目したい。 望遠鏡を下ろし、真剣な表情で遠くを見つめながら、この望遠鏡という技術が明らかにした世界の新しい側面と、自分がその世界とどのように結びつけられているかを考えているように見えます。立原先生が日本の伝統的な木版画の歴史と未来に献身したように、北斎も自らの芸術的ビジョンを考え、真剣に芸術家としての道を歩んでいたものと思われます。 しかし、残念なことに立原先生は北斎のような長寿を全うすることはできませんでした。早すぎる旅立ちがとても惜しまれます」と偲んでいます。(立原位貫作品紹介パンフレットへの寄稿文より引用)

開催日 2022年09月23日~2022年10月10日
会場 世界遺産 真言宗御室派 総本山 仁和寺
会場住所 京都府京都市右京区御室大内33 地図
地域 京阪神 / 京都
入場料 無料(御殿拝観料のみ必要となります)※御殿拝観料 大人800円・高校生以下無料
営業時間 9:00 – 17:00(最終入場16:30)
イベントURL http://inuki-art.com/index.html
京都府京都市右京区御室大内33

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