Take it Home, for (__) Shall Not Repeat the Error.
2023年5月16日(火) ~2023年5月22日(月)
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G7広島サミット開催を記念する現代アート展
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G7広島サミットの開催に合わせて企画された本展は、「なぜ世界中から広島に人が訪れるのか」ということに焦点を当てています。広島で起きた過去のことを、現代を生きる私たちはなぜ学びに行くのでしょうか。
本展のキュレーター、半田颯哉はその問いに対し、「広島で見て、聞いて、知ったことをそれぞれが持ち帰り、そしてそれを活かして平和な未来を一緒に作っていくため」という答えを提示します。そして、「ヒロシマ」の前と後——広島に投下された原爆に使用されたウランの採掘されたコンゴと、第二次大戦後のアメリカの核兵器実験による被爆被害を繋げ、歴史上の特異点としての「ヒロシマ」ではなく、「ヒロシマ」に/から繋がる連続した歴史を紡いでいきます。
シクステ・カキンダは、アフリカ人アーティストとして初めて東京藝術大学で修士号を、同大学で今年博士号を取得した、コンゴ民主共和国出身のアーティストです。本展ではカキンダの故郷であるコンゴと広島の関係に焦点を当てた作品を展示します。コンゴにはシンコロブエ鉱山と呼ばれるウラン鉱山があり、広島に投下された原爆は当時のベルギー領コンゴから産出されたものが使用されていました。カキンダはこのプロジェクトによって、コンゴと広島の見えない繋がりを示し、そして断絶されていた2つの土地の歴史をアーティストの身体によって橋渡しします。
半田颯哉は18歳まで広島で育ち、現在は東京を拠点とするアーティストです。多くの広島出身者と同様に、「ヒロシマ」の歴史を次世代に継承していくことを重要なことだと考えている半田は、広島に原爆が投下されてから今までに経過した時間と、広島を訪れることの意義に焦点を当てます。特に、本展で初めて発表される新作の一つでは、半田は「匂い」を作品の素材として使うことに挑みます。半田が展示会場でお香を焚くことで発生する匂いは、来場者の身体や衣服に付着して「持ち帰られる」こととなります。この匂いは、かつて原爆の投下直後に広島にもたらされた残留放射線を暗喩すると同時に、来場者がここ広島で見たことを「持ち帰り」、その香りを嗅いだときにそれぞれの土地で未来の平和に思いを馳せて欲しいという祈りを込めています。
伊東慧は日本生まれのアーティストで、アメリカ東海岸エリアを拠点に放射線、記憶、生死といった「目に見えないものを可視化する」ことをテーマに活動しています。祖父が広島で被爆している被爆三世であると同時に、米国移民一世でもある伊東は、アメリカでの核実験による放射性降下物にさらされた被害者であるダウン・ウィンダーに着目しており、そこには放射線の目に見えない恐ろしさを知らずに実験に参加した作業員も含まれます。伊東の作品は、歴史の影に隠れている「アメリカの被爆者」の存在を浮かび上がらせるのです。
山本れいらは広島出身の母親を持ち、アメリカで高等教育を受けた日本人アーティストで、社会的な権力の存在に焦点を当てて作品を制作しています。山本の「After the Quake」シリーズは戦後の日米関係を原子力の視点から考察したもので、日本とアメリカの蜜月は原爆投下から始まり、原子力発電技術の輸入により維持され、そして福島第一原子力発電所事故に繋がっていくと言える、この一連の流れを描き出しています。山本の作品に描かれる「Postwar is Over(戦後は終わった)」というフレーズは、こうした日米関係の戦後体制を今、改めて見つめ直そうというものですが、同時に広島という土地においては、「世界から全ての原子爆弾がなくなるまで、広島の戦後は終わらない」という広島の思いに呼応する意義も持ちうると言えます。
展覧会のタイトル「Take it home, for (__) Shall Not Repeat the Error.」は、広島の原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」を英語訳したものに由来しています。日本語の原文では主語が省略されていますが、現在、正式に用いられている訳文が「Let all the souls here rest in peace; for we shall not repeat the evil. 」となっているように、主語は「私たち(We)」であり、そしてそれは広島や日本の人々だけでなく人類全体をも指すものだとされています。世界中の人々が広島を訪れ、歴史を学び、それぞれの土地に持ち帰っていく。そして「私たち」それぞれが二度と過ちの繰り返されない平和な未来を築いていくことこそが、「誰か」の過ちではなく「私たち」人類全ての過ちを引き受けたヒロシマの祈りなのです。
開催日 | 2023年05月16日~2023年05月22日 |
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会場 | そごう広島本館2階特設会場 |
会場住所 | 広島県広島市中区基町6-27 地図 |
地域 | 中国 / 広島 |
営業時間 | 10:00 - 19:30 |
イベントURL | https://www.souyahandaprojects.com/exhibitions/take-it-home-for-shall-not-repeat-the-error |
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