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常滑焼という伝統技法の一部が西洋彫刻の近代的技法を取り込み、ハイブリッドな「陶彫(とうちょう)」という存在に転換していく興味深い歴史をご紹介いたします。

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陶の仏 ―近代常滑における陶彫

「陶彫」とは、まさしく字のごとく陶を素材とする彫刻のことです。あまり知られていませんが、平安時代末期から続く常滑焼は、近代に入ると西洋彫刻の技術・知識が伝播・融合し、結果として、数多くの陶彫作品を生み出しました。日本にまだ「彫刻」という概念が浸透する以前、工部美術学校においていち早く専門的な美術教育を受け、西洋彫刻を学んだ内藤鶴嶺(1860〜1889)や寺内半月(1863〜1945)らは、西洋彫刻そのものの社会的地位が確立していない困難な時代に、運命の悪戯から縁あってたどり着いた常滑の地で、西洋彫刻の技法を広めていくことになります。他方で彼らは常滑で窯芸に出会ったことにより、自らの「彫刻」作品に陶の概念を精力的に取り入れていきました。こうした西洋彫刻の思想は弟子から弟子へと引き継がれ、常滑の陶彫に多大な影響を与えました。
今回、そのひとつの到達点として取り上げるのが、「観音像の清風さん」とも呼ばれていた柴山清風と彼の仏像作品です。清風は戦時中に《千体観音》や《弾除け観音》などを多数制作し、無償配布しました。生涯をかけて、常滑の地で陶の仏の創作活動を続けた彼の作品には、「職人」という一言では決して片付けられない作家性と魅力が詰まっています。本展を通して、知られざる「陶彫」の歴史とともに、近代仏像の魅力に触れていただければと思います。

また本展と、高島屋史料館(大阪)で開催中の「万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか?」展(〜2023年12月25日まで)との連動企画として、日本橋高島屋の屋上には常滑造形集団が制作し、実際に1970年の大阪万博に出展された椅子《陶製ベンチ(月の椅子)》22点を展示します。大阪万博のために制作、出展された椅子は約200点にも及びますが、いずれも個性あふれるユニークなものでした。現在もその大部分が常滑市に現存していますが、当時も輸送に相当苦労したというこのシリーズ作品が、東京でこれほどまとまって鑑賞が可能になるのは初めてのことです。寺田英史(tamari architects)・中山智憲(園園)による作庭で、村野藤吾が設計した屋上の象の塔屋前に、楽しく気持ち良い空間が広がっています。ぜひ、実際に椅子に腰掛けながら展示の感想などを語らっていただくとともに、あふれんばかりの熱量により制作された《月の椅子》から、常滑の造形パワーを感じていただければ幸いです。

開催日 2023年09月16日~2024年02月25日
会場 高島屋史料館TOKYO 4階展示室
会場住所 東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C.本館4階 地図
地域 東京 / 千代田区・中央区(銀座など)
入場料 無料
営業時間 休 館 日: 月・火曜(祝日の場合は開館)
年末年始(12月30日〜1月2日)
開館時間: 午前10時30分〜午後7時30分
イベントURL https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/
東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C.本館4階

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