トークイベント『心と暮らしをよくするために──道具・素材から考えるアートと発達』
2024年12月8日(日) 14:00 ~2024年12月8日(日) 17:00
本イベントでは、アート×発達心理学が織り成すトークをもとに、暮らしをよりよくするための道筋を考えたいと思います。
申し込み及びイベント詳細 https://ap241208.peatix.com/
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「私たちの暮らしをよりよくしていくこと」
それは、私たち人間が行う様々な活動において大前提に置かれる目標だと言えます。今回のイベントでは、その目標について、アートと発達心理学という2つの異なる分野から考えていきたいと思います。
アートと心理学。一見すると全く異なる2つの分野ですが、この共通点はなんでしょうか? それは、アタリマエとされる日常の営みをいつもとは違った視点から見つめ直していくことにあると言えます。たとえば、アーティストの永岡大輔さんは、「球体の家」というプロジェクトを通して、私たちの生活の根幹にある家のあり方を問い直すアート作品を手掛けています。ひとつの場所に定住し、通勤や通学、気晴らしのために交通機関で移動し、それが終わればいつもの場所に帰ってくる。定住地に様々なものを蓄え、必要な道具や材料は遠方から取り寄せて暮らす。今の家のあり方では、このような生き方がアタリマエとされています。では、家が常に回転する「球体」だったら、私たちの生活はどう変わるのでしょうか? 永岡さんは、「球体の家の集まる社会では、「生きる」ことは「移ろう」ことと限りなく同義となります。そこでは、私たちが固執している「所有」や「定着」の価値観は一変するでしょう。」(『Re:mind Vol.2』p.17)と考えており、「球体の家」プロジェクトを通して、家やそれを支える道具・素材を変えることで私たちの暮らしが大きく変化する様を具体的な作品として形にしてきました。
一方の発達心理学は、どのように暮らしをよくすることを考えてきたのでしょうか? 人々の発達を支援する実践を長年行ってきたフレド・ニューマンは、私たちがアタリマエに使っている「問題-解決パラダイム」を批判し、人生(life)全体を変えようとすることが暮らしをよくすると考えています。食べること、お酒を飲むこと、薬を使うこと。私たちは、これらを日常生活の中で行っていますが、そのやり方次第では「肥満」や「暴飲」、「薬物乱用」という「問題」となってしまいます。アタリマエに考えれば、この「問題」を「解決」する必要があるでしょう。しかしながら、それらの「問題」を「解決」しようとすることでは、私たちのよりよい生は生まれません。なぜならば、何をどんなふうに食べたり、飲んだり、使うのかと、どんな仕事をして、誰を友達に選んで、どこに住んで、何をして遊ぶのかといった他の営みは密に関係しています。それらを「問題」として切り分けることでは、困っていることは変化していきません。そうではなく、「問題」とされること含めて、自分自身の人生の全体をどのように組み立てるのかを自分たち自身で決めていくこと、その全体をよい方向に変えていこうとすることこそが、人生を豊かにするとニューマンは述べています。
このようにアタリマエとはちょっとズラして考える視点をそれぞれ提案してきた2つの分野。これらが交差することで、暮らしをよくするための道筋はどのように見えてくるのでしょうか? このイベントでは、アーティストである永岡大輔さんをお呼びして、発達心理学者である北本が「球体の家」プロジェクトのお話を聞きながら、人生(life)全体を変えていくこととはいかに達成できるのか、それはどのように私たちの暮らしをよくするのか、について考えていきます。
アート×発達心理学が織り成すトークイベントをぜひお楽しみください。
永岡大輔(ながおか・だいすけ)
1973年山形県生まれ、東京都在住。Wimbledon School of Art修士修了後、国内外にて個展・グループ展による発表多数。
記憶と身体との関係性を見つめ続けながら、創造の瞬間を捉える実験的なドローイングや、鉛筆の描画を早回しした映像作品を制作する。制作の痕跡が意図的に残される作品は作者の記憶ばかりではなく、失われた時間の痕跡としての余韻を空間にもたらす。また、平面や映像作品以外にも、朗読体験を通して人々の記憶をつなげるプロジェクト『Re-constellation』による公演や、現在では、新しい建築的ドローイングのプロジェクト『球体の家』に取り組むなど、様々な表現活動を展開している。荒川出版会発行『Re:mind Vol.2』に「球体の家と身体の内と外にある道具」を寄稿。
北本遼太(きたもと・りょうた)
1990年生まれ、兵庫県出身。荒川出版会副会長。博士(心理学)。専門は発達心理学、学習心理学、社会物質性アプローチ。著書に『パフォーマンス心理学入門──共生と発達のアート』(分担執筆、2019年、新曜社)、訳書に『パフォーマンス・アプローチ心理学──自然科学から心のアートへ』(共訳、2022年、ひつじ書房)、『新自由主義教育からの脱出──子ども・若者の発達をみんなでつくる』(共訳、2023年、新曜社)がある。
開催日 | 2024年12月08日 14:00~2024年12月08日 17:00 |
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会場 | シェアキッチン628(オンライン同時配信有) |
会場住所 | 東京都荒川区西日暮里6丁目28−3 地図 |
地域 | 東京 / 足立区・北区・荒川区・台東区(上野など) |
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