○しょうけら

眠ってはいけない…
庚申の日に眠ってはいけない
幼い頃から言われ続けてきた
眠ってしまうと何があると言う話だっただろうか…
何か悪いことが起こるとか
今となっては覚えていない
とにかく眠ってはいけない
言われ続けてきたことは習慣化されて…とても眠いのに

本を読んだり数時間潰したが
うとうととしてきた
腹の辺りがむずむずする
すっと何かが抜けるような感覚がした
とっさに腹を押さえるとぬるっとしたモノに触れた
とっさに掴んでみた
それは小動物程の大きさの黒く小さな生き物だった
バタバタと暴れて噛みつこうとしたが空をガチガチとするだけだった
逃してはいけないような気がしたので瓶を探して無理矢理押し込んだ
瓶は大分古く汚れていてそいつにはかなり窮屈で一度入ってしまうと出られないようだった

瓶の蓋をあけると醜悪な顔が見えた

とても眠かったので不意に眠ってしまった
その後も特別悪いことは無かったがまだ瓶の中にそいつはいる

2010/12/7-12
「～師走夜話～ 我流宵闇展観」
たまごの工房にて展示

カテゴリ

立体・彫刻

工芸・陶芸・民芸

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妖怪

作成者	式水下流
作成日	2011年01月11日 03:47

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