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日常生活の中で常に思うことがある。自分は何かしらの枠の中で生活をしているのだということ。学校という枠。社会という枠。家族という枠。様々な枠が存在し、その枠が私という人間を決めつける。私は時折そのような枠に覆われることに対してものすごく閉塞感を感じてしまい、耐えきれなくなってしまう。だから私は枠のない世界を望んでいる。何からも縛られない、自分のしたいことはなんでも心おきなく、外部から制約を受けずにできる世界。
 しかし、そのような世界というものは脆いのである。私の求める自由、(英語で表わすならFreedomの方)はちょっとした衝撃で崩壊してしまう。なぜなら私の求める自由とは私の事を守ってくれる存在がいないからだ。例を挙げてみると60年代のヒッピー文化がある。彼らも、現代社会というのに嫌気がさして独自のコミューンを作り上げることでそれからの脱却を試みた。だがこのヒッピーもすぐに衰退を迎えます。社会からの厳しい視線などにより、コミューンを維持することが難しくなったのです。
 コミューンを解散させた彼らはやがて社会に帰っていくことになります。そして、社会という枠の中で今も精いっぱい生きていることでしょう。
 では、社会というのは自由ではないのでしょうか。社会というのは、人間の自由を認めています。しかしそれは前述した自由(Freedom)とは違う自由(Liberty)です。枠の中の自由。最低限のルールをもっている自由です。この自由とは強いです。最低限守らなければならないルールはありますがそれさえ守れば結構自由ですし、社会的にも守られていますので、安全で長く続けることができます。
 私はこの二つの自由について考えながら今回の作品を制作しました。
 私は今この社会の中の自由(Liberty)にいる。そこは守られていて、安全でそれに私はきっと心の奥では今この中にいるこの状況こそが正しいのだと思っている。しかしどうしようもなく本当の自由(Freedom)というものに惹かれてしまう。そしてこの決められた枠の中だけでなくもっと外の世界に、枠の外で面倒なルールなどは考えずに思いっきり動きたい。そう思っている。でもそんなことはできないしできたとしてもすぐに終わってしまうだろう。優柔不断な私はこんな風に考えてしまいどちらの世界にもしっくりこない。日々、どこか今いる枠の中を動き回りどこかに自由に続く抜け道がないか探している。

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絵画・版画
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