バスルームの和解
凍える冬の夜に暖を求めてバスルームに駆け込む時のように、私はそのドアをノックした。
懐かしいその家は私に「おかえり」と返してくれた。
その瞬間、壊れて修復不可能に見えていたそれにはまだ明かりが灯り、温かさが残っていたことに気づく。
長い冬の沈黙が窓から漏れるオレンジ色の光で溶けてゆき、やがて春がやってくる。走光性の虫たちが月の光を目印に真っ暗な夜の空を飛ぶように、その家から放たれる光は私を向かうべき方向へとガイドする。
争い合っていたものと向き合うとき和解が生まれ、それは私に安らぎと強さを与え、更に次のステージへと導いてくれる。
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作成日 | 2017年01月23日 03:08 |