夕暮れ銀座 1965

JIA Illustration Award 2017 優秀賞作品
昭和40年～41年頃の銀座四丁目交差点から、三愛ドリームセンター、ソニービル、日劇の絵をレトロな総天然色で描きました。
ここからの景観は昭和の絵葉書でも数多く見られ、私にはもうひとつの昭和35年銀座の作品もありますが、今回はその5～6年後の情景です。
有楽町側を望む写真などの構図は五丁目(三愛側)だけの絵が多く、このように四丁目(和光側)も一緒に一枚のイラストに収めたものは、めずらしいことと思います。
この昭和40年頃は、細めのズボンのアイビーファッションのみゆき族がVANの紙袋を小脇に抱え、子どもはお出かけで余所行きの格好でデパートめぐし、大食堂ではお子様ランチを頂きました。
ロカベリーブームが終わって久しい日劇では、御三家人気を経て、グループ・サウンズの大流行まではあと2年。1966年にソニービルが竣工し、1971年には都電が去った路上で歩行者天国が始まり、三越1階にマクドナルドが開店します。黄色い「ラブ・ピース」バッチを付けた若者らが、ハンバーガーを道々頬張る時代がやって来るのです。