壁の向こうの海の色に焦がれる日々
◆「壁の向こうの海の色に焦がれる日々
(Yearning for The TRUE Marine Colors)」...
(ある旅行者の手記より)
「壁の向こうに海を臨む
この街の駅の真上で
海に見立てて敷き詰められた
青い絨毯の上では
翼の生えた掃除機が
折角起こった波を
ホコリと勘違いして
全て吸い取ってしまい、
壁に立て掛けられたサーフボードは
今日も出番が来ないまま
待ちぼうけを喰らわされ続けている。
「壁の向こうの海へは
いつもであれば
電車で10分位で
行けるんだけどね。」
中心街の市場の野菜を
この街の住人の家に
舟で一軒一軒送り届けて
回っている人の
マスク越しの言葉。
「いつもであれば行く事の出来る」場所が
「昔は行く事が出来た」場所に
変わる瞬間は何時なのだろう。
あの有翼船が運んできた
海の色彩と異国の風、
そして潮の香りの中に、
壁の向こうの
本物の海と太陽への
憧憬と恋しさが
混ざった色に染まった
この街から先には進まずに
今日は元来た道を戻ろうか。
サボテンのアパートの一階の
いつもであれば
オープンテラスの席が賑やかな
レストランのメニューを
テイクアウトしながら。」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
A4(210×297)サイズ程に(完成後)切り取った水彩紙に
水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。
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作成日 | 2020年05月18日 19:43 |
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