タナトス
われらやがて冷たき闇の中に沈み入らん
sweet depression
はじめ、とても甘かったガムも噛んでいるとしだいに味がしなくなる。
そろそろガムを捨てようかと思ったりもするのだけど、これが中々難しい。
ときどき甘い味が戻ってくるような気がして。要は名残り惜しいのだ。
なんだかこの噛むという行為そのものにも愛着がわいてくる。
中々捨てられない人が多い中、捨てる人は本当にすぐに捨てる。
まだそれが甘く、魅力的なうちに。
無造作に捨てられたガムは、アスファルトにへばりついていつまでも汚いしみとなって残る。
丁寧に捨てられたガムは、元の包みに戻されてゴミ箱に投げられ、やがて焼却炉へと送られる。
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作成日 | 2020年09月23日 17:07 |