金魚鉢の魚
[金魚鉢の魚]
薄暗い朝に
ぼんやり
天井の白い梁を
左目で追う
そうだよ
僕は
魚になって
広い大きな海で
好きなように
泳ぎたかったのだ
僕は
鳥になって
高い青い空で
自由に
歌いたかったのだ
綺麗な金魚鉢の中で
僕は毎日
首を傾げながら
魚の絵を描いて
鳥の唄を歌ってる
ねぇ
僕は
これから
どこへ
向かって行くのかな?
不安な梁の端で
不愉快な
目覚ましのベルに
気を取り直す
顔を洗い
鏡に映る
疲れた顔に
軽くウィンクしてみる
今日も
何も変わらない
僕の金魚鉢
三回目の
スヌーズの向こうで
食パンの
真っ白なカンヴァスに
真っ赤なジャムを
無心に盛り塗る
見ないようにしてた
苦手な魚のフリッター
我慢して
食べてみたよ
とにかく
大きな骨が邪魔で
無性に腹が立ったので
お皿ごと
ゴミ箱に
放り込んでやった
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作成日 | 2011年05月09日 11:09 |
もしかしたら、少し発想を転換することで、金魚鉢から大海原へ出る方法があるような気がします。