根付「笹竹に空蝉」
サイズは高さ55mmx幅15mm。
鹿角製。
「空蝉【うつせみ】」というのは、蝉の抜け殻のこと。
日本に分布している蝉は7年間地中で暮らし、
最後の一ヶ月を地上で謳歌する。
蝉がすっかり鳴かなくなり。
その遺骸すら見られなくなったこの季節でも。
木々の小枝には無数の「空蝉」が、彼等が生きた痕跡を残している。
そう言えば、源氏物語にも「空蝉」という一節がある。
ここでの空蝉は、光源氏に求愛される一人の女性。
身分の差を思い、抜け殻よろしく衣一枚残して源氏の前から姿を消す。
忍術にも「空蝉之術」というのがある。
これは立ち木や丸太等に自分の衣服を着せ、
敵に錯覚させるもの。
白戸三平の漫画に良く出て来るアレだ。
結構知られていることだけれども。
蝉の抜け殻は食用になる。
細かく砕いて乾煎りすると、大変香ばしい「ふりかけ」の出来上がり。
漢方でも「蝉蛻【せんたい】」と称して、解熱/消炎の薬としている。
そもそも、蝉は全昆虫の内で一番旨いとされていて。
日本はおろか、世界中に食べる文化が存在する。
特に羽化前の幼虫が美味で、小海老のような食感/風味らしい。
割と上下に長い、一種の「差し根付」。
小枝の所を紐穴に、空蝉のお尻を帯掛かりに利用する。
使用時には、竹部分を帯に挟んでおいて。
空蝉だけが表に出る寸法。
詳細画像は「鹿正洞」:
http://www.nns.ne.jp/ent/p-design/rokusho-dou/Rokusho-do.html
内ギャラリーにて。
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作成日 | 2011年11月08日 02:52 |