特別なきみにとっておき
「あれ?今日は髪、つけないの?」
王子様がそういうのも無理はない。
というのも、最近では花びらとボタンの髪飾り、
まいにちのように欠かさず着けていたもの。
きょうはどうして、着けないのかって?
王子様はとなりで、また飽きたのかって顔してる。
まだとっても大好きなんだけど、
このままだと彼、着るものがなくなっちゃうわ。
しょっちゅう「ボタンとれちゃった」って
バレバレの嘘をついては、わたしを喜ばせようとするの。
「じゃあこれは、いらなかった?」
そう言って差し出すのは、あら?
彼の、お気にいりのブレザーのボタンだわ
「あのね、そんな「このブレザー、ボタンつけてくれない?」
遮る先には、どう見ても今外したであろう襟元。
「その代わり、きみのドレスのボタンでね?」
これでおあいこ、といわんばかりの笑顔のきみに。
とっておきのドレスのボタン、
着けてあげようかなぁ、なんて。
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作成日 | 2011年11月12日 10:47 |
BRAVO SEAL
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