「はい、これこないだの」

君の手から差し出される、白い封筒
その中身は決まって、前のデートの思い出写真

こないだは海に行ったからきっと、
夢中で撮ってた海岸の写真かしら？

「あれ？これ、なあに？」

たくさんの青い写真に混ざって、
ひとつだけ、黄色く砂浜だけが撮られたもの。

「あーそれは、うん。まあ、ね。」

なんだかはっきりしないきみを横目に、
よく見ると…あら？

ちいさく文字が彫ってあって。
それは間違いなく、きみの殴り書きの文字。

ちらっととなりの彼を見れば
ほっぺはビックリするくらいに真っ赤っ赤。
もうすっかり秋なのに、暑いねなんてごまかしてるわ。

「ねえねえ、これなんて書いてあるの？」

ほんとは分かってるんだけど、
照れ屋なきみに言ってほしくて。

「…さあ、今日のお写真、撮ろうかなっと」

やっぱりまだまだ、
きみの口から『大好き』は聞けないみたい。

だけど答えは、その真っ赤な頬っぺた。

「このお写真、お部屋に飾ろうかなぁ」

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作成者	easter
作成日	2011年11月12日 10:56

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